顧客満足(CS)が先か、社員満足(ES)が先か

顧客満足と社員満足、どちらを先に考える?

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。


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■ 顧客を優先する理由


企業の発展には利益が必要です。
 
そしてその利益はお客様がもたらしてくれますので、企業はお客様の獲得を図るべくニーズの把握のための様々な活動を展開してきました。「マーケティング活動」と呼ばれる活動です。
 

マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。 また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。(Wikipedia マーケティングより)

 

ニーズを探るということは、
 
お客様の不満足の解消のために自社は何ができるか
・自社の提供するサービス、商品はどんなことでお役に立てる
 
を考えることであり、そういった意味で企業は「顧客満足の追究」を常に考えてきたといえます。
 
顧客満足を上げることでお客様が自社を選んでいただくことにつながり、企業は売上(利益)の増加という恩恵を受けることができるということです。
 

■ 顧客満足追及は業績を下げる可能性がある

 


ところが、顧客の満足度向上を最優先に活動してきた結果、それが社内、社員のモチベーションの低下につながる事例が散見されるようになってきました。
 
顧客最優先の勤務形態
・徹底したコスト削減での就労環境の悪化
・顧客からの無理難題への対応
 
お客様のことを最優先にする反面、社員さんには奉仕を求めることになったからです。
 
そしてモチベーションの低下とともに見られたのが企業の業績低下傾向です。お客様最優先で顧客満足の追究を進めているにも関わらず、です。
 
これは社員のモチベーションの低下が業務効率の低下を招いたと考えられます。
そこで近年注目を浴びるようになったのが、「社員満足の追究」という考え方でした。

元来、顧客満足度を上げることが企業業績の向上に繋がると考えられてきたが、それだけでは従業員のモチベーションが下がり業務効率が低下する例が見られた。これに対し社員満足の向上が顧客満足につながり、ひいては業績向上による株主利益に結びつくとの考えが生まれ、近年注目を浴びるようになった。(Wikipedia 従業員満足より)
 


私もこの考え方に賛同しています。
 
特にサービス業にあっては、直接お客様と接する接遇社員(コンタクト・パーソネル)の対応がその企業に対するお客様の印象に直結するので、接遇社員のモチベーション、雰囲気、表情や会社への忠誠心がお客様に与える影響として大きいからです。
 
このような意味で、私は「社員満足(ES)が先」という考え方です。

 

■ インターナル・マーケティングという考え方


さて、社員満足が顧客満足につながるという考え方は次のような図で説明がつきます。
 

一般論で考えると、企業から直接顧客へのマーケティング活動は「プッシュ型」であり、その情報を受け取るか受け取らないかは顧客に委ねられます。
 
なかなか伝わらないからこそ、マーケティング活動や広告宣伝活動には多額の費用が掛かります。
 
この活動を「エクスターナル(外部)・マーケティング」と言います。
 
これに対して接遇社員と顧客は直接接します。
 
直接接することで双方向のやり取りが生まれ、マス広告で伝えきれない部分の伝達や顧客との信頼関係を作ることが出来ます。
 
これを「インタラクティブ(双方向)・マーケティング」と言います。
 
そして、その双方向のやり取りをする接遇社員が会社に良い印象、忠誠心を持てば持つほど顧客によい態度で接したり、自発的に会社に貢献しようとしたりなどの意識が生まれることに注目し、「社員さんも会社の顧客」と考えて満足度を上げていこうという考え方に繋がりました。
 
これを「インターナル(内部)・マーケティング」と言います。
 
この流れをまとめると以下のようになるでしょう。
 
①企業からの顧客へのアプローチは、伝達力が弱い
②社員さんから顧客へのアプローチは、良い情報も悪い情報も伝達力が高い
③それならば、社員さんが自発的に顧客へ良い情報を流せるようにした方が良い

∴顧客満足のためには社員満足を先に取り組んだ方が、効率が良い

 

■ Twitterアンケートでも社員満足優先が多い結果に

 


この「顧客満足が先か、社員満足が先か」について、Twitter上でアンケートを取ってみました。結果は、
 
・顧客満足が先 80票(43%)
・社員満足が先 106票(57%)
 
社員満足を優先すべき、という意見がやはり多かったですね。
 


ただ、直接コメントを記載していただいた方は「顧客満足優先」とする考え方が多かったです。そしてそれらの意見もとても貴重なご意見でした。
 
以下、いただいたコメントをいくつか紹介します。
 


 
「顧客満足優先」とする意見でも社員満足を軽視しているわけではないです。
 
「顧客満足を優先」は、
・顧客満足を優先することで業績の向上となり、社員さんに還元できるので社員満足につながる。業績の向上が、まず必要。
 
「社員満足を優先」は
・社員満足を優先することで顧客満足の向上が図られ、業績の向上につながる
 
どちらも正しいですね。
 
最後に「社員満足の定義」として、天羽玲二(セロニアス)@iceplant01さんのご意見を掲載させていただきます。
 


社員満足を優先に考えるが、単純に金銭や労働条件ではなくもっと別のことの方が効果があり、その中身をちゃんと考えないといけないという貴重なご意見でした。

※QOL・・・クオリティ・オブ・ライフ。「人生の質」、「生活の質」などと訳されることが多く、私たちが生きる上での満足度をあらわす指標のひとつ。
(2020.2.1の記事を加筆修正しました)
 
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