【パチンコ計数管理 基礎編18】お店の視点と遊技客の視点の違い(月刊AJ連載18)

 
 パチンコ計数管理
 
この文章は月刊アミューズメントジャパン誌にて連載されている「基礎から再確認 パチンコ計数管理 」の第18回、2020年11月号に掲載されたものです。
 
改めてウェブ上にアップすることで連載内容のおさらいになるかな、と思いますので、今後も定期的にアミューズメントジャパン誌の連載をアップしてまいります。
 

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皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。計数管理に対して苦手意識を持つ方も多いと思います。この連載ではそういった苦手意識を克服していただくために、分かり易くお伝えしています。

今回は遊技機管理でのポイントをお伝えします。

■ SとBOの関係

遊技機の使い方、日々のメンテナンスとしては「S」を重視する方が多いと思います(「S」=アウト100個当たりの回転数)。

「明日のSは入替OP初日だから高めにしよう」
「明日から連休なので少し低めにしよう」

などです。もちろん割数の計算項目にSがあるので重要な項目なのですが、この数値を変化させると何が、どう変わるのでしょうか。

この連載の初期になりますが、第3回(2019年8月号)にてBO(特賞間アウト)を学びました。簡単に振り返ると、
・BOとは特賞と特賞の間の打ち込み
・計算式はBO=TS÷S×100
というものです。例えばTS319でS5.50ならば、
BO=319÷5.50×100=5,800
となり、「大当たりするまでには5,800個の打ち込みが必要」と計算できます。パチンコは1分間に100個打ち込めるのでこれを時間として表現するならば、「大当たりの周期は58分ごとである」とも言い換えられます。

さてここでSを少し変化させてみましょう。
① S=5.20
② S=5.80
で考えてみます。

① S=5.20のとき
BO=TS÷S×100
 =319÷5.20×100
 ≒6,135

② S=5.80のとき
BO=TS÷S×100
 =319÷5.80×100
 =5,500

という計算結果になります。TSはスペックのことなので変えられなくともSはメンテナンスによって変化するので計算結果としてのBOも同じように変化しますが、Sが低くなるとBOは大きくなり、Sが高くなるとBOは低くなる関係がわかります。

■ Sと利益率の関係

ここで、例えば上記に以下の条件を加えてシミュレーションをしてみます。(シミュレーションの仕組みについては第10回、2020年3月号及び下図参照)
割数の計算展開

<条件>
B25% TY4,200 客滞率130% 11.2割分岐

① S=5.20
BO6,135 Bサ4,601 売上玉3,539 差玉+401 割数8.87割 利益率20.80%

② S=5.50
BO5,800 Bサ4,350 売上玉3,346 差玉+150 割数9.55割 利益率14.73%

② S=5.80
BO5,500 Bサ4,125 売上玉3,173 差玉-75 割数10.24割 利益率8.57%

Sを0.30ずつ上げていくと利益率が約6%ずつ下がっていくことが分かります。店舗側の視点で考えれば、
「Sを0.30も上げると利益率も随分下がるな」
となるでしょう。

しかし、それは遊技客に伝わるか、というと必ずしもそうではないです。

■ パチンコ計数管理 でSよりも重要な指標

遊技客の体感上、S0.30の違いは全く分からない、と言えます。改めて言うまでもなくSとは「アウト100個=1分間の回転数」なので、1分間に5.2回と5.5回の違いは分かるものでしょうか。

ここでBOの違いに注目します。
・S5.20なら6,135、61分
・S5.50なら5,800、58分
という違いがあります。遊技客にとってSの違いは判らなくとも、大当たりまでの時間の違いは明らかにわかります。

ここで少し考えてほしいことがあります。それは、
① 全然回らないけど、すぐに当たる台
② とてもよく回るけど、まったく大当たりをしない台

ではどちらが楽しいでしょうか。もちろん①だと思います。

パチンコにとって重要なのは大当たりをすること、決して回るから楽しいのではなく当たるから楽しいのです。回転数が高いことが楽しいのではなく、その結果として大当たりが早くなるから楽しいと感じるのです。

現実的な管理指標としてはSを見るでよいのですが、その時のTSとのバランスを意味するBOも確認をしてほしいと思います。

【今回のポイント】
・Sの結果としてのBOを見る
・回すことがではなく当たることが満足の基
・遊技客の体感を測る指標がBOである

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