【パチンコ計数管理 基礎編3】SとTS、BOとTO、TYとT1Y(月刊AJ連載3)

この文章は月刊アミューズメントジャパン誌にて連載されている「基礎から再確認、計数管理」の第3回、2019年8月号に掲載されたものです。
 
改めてウェブ上にアップすることで連載内容のおさらいになるかな、と思いますので、今後も定期的にアミューズメントジャパン誌の連載をアップしてまいります。
 
前回はデータの最も基本となる「アウトとセーフ」について学習しました。3回目の今回は「SとTS、BOとTO(T1O)、TY(T1Y)」について理解を深めます。

■ S(スタート)

Sとは大当たり中と確率変動・時間短縮中を除いたとき(つまり通常状態)の「単位時間あたりに図柄が変動した回数」を指します。

パチンコ台は1分間に概ね100個の玉を発射するので、アウト玉数100個あたりのスタート回数≒1分間あたりの回転数ともいわれます。

遊技客は通常「1,000円あたりで何回まわったか?」を基準に考えますが、計数管理ではこのように「単位時間あたりの回転数」を基準に考えます。

なおこの場合のSには、確率変動中及び時間短縮中のスタート回数は含みません。

また「図柄が変動した回数」なので、例えば保留玉が一杯のときにスタートチャッカーに玉が入っても図柄は変動しないのでSにはカウントされません。これは「オーバーフロー」と呼ばれます。

なお、「スタート」は一般的にセブン機タイプの機種を管理するために使用しますが、ハネモノタイプの機種にもスタートはあります。ハネモノの場合は図柄変動回数ではなく、役モノの羽根が開放した回数がスタートとなります。
※ 機種によっては羽根開放チャッカー(オトシ)入賞回数をスタートとするものもある

■ TS


 
TSとは「特賞に要する平均の回転数」のことで、大当り確率の分母を指します。例えばデータ上で「TS=300」ならば、「平均すると図柄が300回変動すると特賞が発生する」ということです。

ここで注意しておきたいのが、メーカー発表の仕様にある大当り確率です。例えばメーカー発表値が1/300でも、必ず300回転で特賞が発生するわけではありません。パチンコ台は「完全確率方式」を採用しており、簡単にいえば「引かれたクジは毎回箱に戻して抽選を行なう方式」です。確率の分母は常に一定であり、毎回同一の確率で抽選しています。

日々のTSデータは、データ量が少ないと遊技機仕様で発表されているTSとは大きく異なることもあります。確率が仕様数値に収束するには、確率統計の世界では1万回の事象を経る必要がある、といわれます(1万回転ではなく1万回の大当たり)。

例えばTS300の機種を20台設置、一日に台あたり3,000回転した場合で考えてみましょう。確率が収束するためには1万回の大当たりが必要なのですから300万回転が必要です。

一日の総回転数=3,000回×20台=6万回転
300万回転÷6万回転=50日

このように平均データがメーカー発表TSに近い値を示すまでには、膨大な量のデータ・日数が必要です。

では次に、この2つの計数用語(S、TS)を基に、計算で求められる計数用語を確認します。

■ BO


 
BOとは「特賞と特賞の間の平均打込数」を指し、

BO=TS(特賞確率)÷アウト玉数100個あたりの平均回転数×100

でも求められ、特賞間(※1)の平均アウト玉数を示します。ではなぜこの計算式で特賞と特賞の間の平均アウト玉数が導き出されるのか考えてみましょう。
※「特賞間」⇒ここでは特賞と特賞の間のことをいい、通常時ともいう。なお「特賞中」とは「特賞状態」を表し、意味が違うので注意。

例)TS300 アウト玉数100個あたりの平均回転数5.0回のとき
BO=300÷5.0×100=6,000(個)

この計算式をひも解くと、「平均値で考えれば、TS300の台をアウト玉数100個あたり平均5.0回転ずつ回すと、6,000個打ち込めば300回転に到達する」といえます。

BOを見ることで、遊技客が体感する特賞までに必要な時間を数値として把握できるようになります。
BOが特賞と特賞の間の打込数を見る数値であるのに対し、特賞中の打込数を見る数値もあります。これが次に述べるTOとT1Oです。

■ TOとT1O(ティー・イチ・オー)

TOとは「特賞発生から終了までの平均打込数」を表す用語で、確変・時短中を含む特賞1セットの平均打込数です。これに対して確変・時短中を除いた特賞1回あたりの平均打込数(大当りしている状態の平均打込数)は「T1O」と呼びます。

パチンコ機は1分間におおよそ100個の玉を発射できるので、TO(T1O)は「特賞発生から終了までの時間を表す」ともいえます。(例:T1Oが350⇒特賞中の時間は3.5分間)

BOとTOの関係は、パチンコを遊技している状況を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

・遊技開始から大当たりするまで、及び特賞終了後から次の特賞発生まで・・・特賞間アウト(BO)
・大当たり開始から大当たり終了まで・・・特賞中アウト(TO)
 
続いて特賞で遊技客が得られる玉数を見る数値を確認しましょう。

■ TYとT1Y

TYとは「遊技客が特賞で得られる平均の差玉」を表し、確変・時短中を含む特賞1セットでの平均差玉です。計算式は

TY=特賞1セットの総払い出し(セーフ)-TO

です。

これに対してT1Yは確変・時短中を除いた特賞1回あたりの平均差玉を表すので、計算式は

T1Y=特賞1回あたりの払い出し(セーフ)-T1O

となります。

T1Yが特賞1回あたりを表すのに対し、TYは特賞全体を表すので確変・時短中の出玉の増減にも影響を受けます。(確変・時短中の出玉の増減はBAいう数値で把握でき、次回詳しくお伝えします)

では、ここで「CRスーパー海物語IN沖縄4」のT1Yを求めてみましょう。アタッカー払い出しは

16R×8C×12個=1,536個

です。このときの大当り中の打込数がT1Oであり、T1Oが400個(4分間)だとすると、

T1Y=1,536(総払い出し)-400(T1O)
=1,136

つまりアタッカーは1,536個の払い出しをしますが、遊技客の手元に得られる玉は(機械整備にもよりますが)約1,136個になるということです。

ここまでは総払い出しをアタッカーだけで見ていますが、特賞中に右打ちをする機種以外では特賞中もベース相当分の払い出し(スタートチャッカーやその他入賞口による払い出し)があります。

上記の例で通常時の払い出しが30%あるならば(ベースといいます。次回詳しくお伝えします)、「特賞中の打込400個×30%=120個」の払い出しも受けることになります。これを考慮するとT1Yは、

T1Y=1,536(アタッカー払い出し)-400(T1O)+120(ベース相当)=1,256

と導き出せます。

「計数管理」という言葉を聞くと、「ややこしい」、「難しそう」、「計算は苦手」と敬遠する方も多いのですが、遊技機の状態を把握し適切に運用していくためには、計数管理の知識はとても重要です。この誌上セミナーを通してしっかりと理解を深めてほしいと思います。

【今回のポイント】

・SとTSでお客様のハマり時間が分かる。
・TOで楽しい時間=大当たり時間が分かる。
・特賞出玉はアタッカーだけではない。

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■ 計数管理研修OnLine、第2期募集開始!

<日程>
・2021年3月31日(水)スタート、4月29日(木)まで
・5週連続開講、週2回(毎週水曜日と木曜日の2回開講)

<内容>
第1講 基礎編(1)遊技機の状態を表す計数項目
第2講 基礎編(2)店舗の営業状態を表す計数項目
第3講 基礎編(3)シミュレーションの構造
第4講 応用編 計数管理からわかること
第5講 実践編 実践に活用し稼働と利益を向上させる

<価格>
1.5講義全受講コース
 全講義(全5回)   35,000円(1講座7,000円、税抜)
2.単科受講
 基礎編のみ(全3回)  19,800円(1講座6,600円、税抜)
 応用編のみ(全1回)  9,800円(税抜)
 実践編のみ(全1回)  9,800円(税抜)

詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ab-c.jpn.com/online_keisuu.html

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