【パチンコ計数管理 基礎編15】割数管理と玉粗利管理(月刊AJ連載15)

 アミューズメントジャパン 
 
この文章は月刊 アミューズメントジャパン 誌にて連載されている「基礎から再確認、計数管理」の第15回、2020年8月号に掲載されたものです。
 
改めてウェブ上にアップすることで連載内容のおさらいになるかな、と思いますので、今後も定期的にアミューズメントジャパン誌の連載をアップしてまいります。
 

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皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。計数管理に対して苦手意識を持つ方も多いと思います。この連載ではそういった苦手意識を克服していただくために、分かり易くお伝えしています。今回はお店の営業について、割数での管理と玉粗利での管理の違いを確認します。

■ 割数という指標

通常、稼働を上げるための集客手段として新台入替やイベントを行い、このような「出すべきとき」には確実に玉を出すことが求められます。

その際の判断基準としてよく使われる「割数」は玉の出方を測るパチンコ業界特独特の指標です。例えば「明日は入替初日なので目標割数は○割にしよう」とか「今現在の営業中割数は○割だ」というようなものです。また営業計画を立てる際にも、日別計画や機種別計画の作成で割数は使われます。

しかし、割数が高いからといって店内に出玉感があり、遊技客が満足感を得ているとは限りません。

■ 割数の落とし穴

例えばここに2つの店舗があるとします。

・どちらも11.2割分岐
・4円パチンコの設置台数はA店120台、B店200台

です。A店は少々稼働が芳しくなく平均台売上が8,000円であり、一方競合のB店はもう少し稼働がよく平均台売上は12,000円あります。

ここでA店が目標割数を13.0割で組みました。約▲16.1%の赤字営業です。これに対してB店は対抗することなく平常どおりに9.0割の営業(利益率約19.6%)を行いました。

A店の店長は「これだけ出せば店内に出玉感が出て活気も出るだろう、B店よりも出しているはずだから出玉感は絶対に負けない」と考えていましたが、実はこれでは結果的に遊技客の評価は「B店のほうが出ているな」となってしまいます。

ここで上記A店とB店の割数から、各々の景品玉数=お客様が交換した玉数を計算して見ましょう。(景品割数の計算式=景品玉数÷売上玉数×10の計算式を使用)

○ A店
台売上が8,000円なので、売上玉数は2,000個(8,000円÷4円)×120台=240,000個
景品玉数÷240,000個×10=13.0割
景品玉数=13.0割÷10×240,000個
      =312,000個(台あたり2,600個)
○ B店
台売上が12,000円なので、売上玉数は3,000個(12,000円÷4円)×200台=600,000個
景品玉数÷600,000個×10=9.0割
景品玉数=9.0割÷10×600,000個
      =540,000個(台あたり2,700個)

実はこのような営業では、台あたりの出た玉数はB店の方が多いことになるのです。

割数とは「売上玉の何倍の玉が景品玉となってJCに流されたか」を測る指標であり、比率を知る数値です。

上記の場合、売上玉(売上)を基準とした景品玉の比率ではA店のほうが高いのですが(A店1.3倍>B店0.9倍)、景品玉数の実数ではB店のほうが多くあります(台あたりでA店2,600個<B店2,700個、総数で考えれば312,000と540,000というように倍近く)。

遊技客は「他人がどのくらいの金額を使っているか」はわかりません。わかるのは「他人が出している、目に映る出玉」だけなので、決して割数が高いからといって玉が出ている(玉箱積みが多い)とは限らないのです。

■ 割数管理と玉粗利管理の考え方

次に利益管理の手法としての割数を考えて見ましょう。例えばある機種において目標とする台粗利が2,500円だったとします。(11.2割分岐とします)

(1)割数管理の場合
割数管理の場合、前提となるのは台売上と利益率です。例えば台売上が12,500円であれば利益率が次のように求められます。

利益率=台粗利÷台売上×100
    =2,500円÷12,500円×100
    =20.0%

11.2割分岐なので割数は、
必要割数=11.2割×(100%-20.0%)≒8.96割

つまり台売上12,500円で2,500円の粗利益を稼ぐためには、8.96割にする遊技機メンテナンスでよいことがわかります。あとは「いかに利益率(割数)に対応した正確なメンテナンスを行うか」が重要なポイントです。

(2)玉粗利管理の場合
玉粗利管理の場合、前提となるのは玉1個あたりの粗利益です。例えば玉粗利を0.25円と設定した場合、台粗利2,500円を稼ぐために必要なアウト数が決まります。

台粗利=玉粗利×アウト玉数
2,500円=0.25円×アウト玉数
アウト玉数=2,500円÷0.25円
アウト玉数=10,000個

つまり玉粗利が0.25円ならば、10,000個稼働させれば必要な台粗利2,500円が稼げるので、あとは「どうすればこの稼働に到達するのか」が重要なポイントです。

■ 割数管理と玉粗利管理の違い

割数管理の場合、台粗利を稼ぐために考えられる手法は「利益率のコントロール=遊技機メンテナンス」しかないのに対し、玉粗利管理の場合は「遊技客が長く遊べる環境を作れば稼働が上がるので達成できる」と考えるので、稼働を上げる施策に目が向きます。稼働を上げるために考えられる施策とは、

・入替を行う
・広告宣伝を行う
・遊技機周りの販促でアピールする
・設備を良くする
・接客、店舗の雰囲気を良くする

などなど、様々なことがあります。これらは計数管理だけでなく店舗全体の営業を考えることにつながり、この点で玉粗利管理は遊技客に目を向けた管理方法といえるでしょう。

【今回のポイント】
・割数だけでは出玉感は測れない
・玉粗利管理はアウトの管理
・比率よりも実数の方が大事

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