マーケティングの4P“+2”

マーケティングの4P+”2”

 

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。
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■ 新しい「P」


 
「マーケティングの4P」というものがあります。
Product(製品戦略)
Price(価格戦略)
Promotion(広告、販促戦略)
Place(流通戦略)
 
この4つの頭文字をとって4Pと呼ばれ、
「適切な製品を適切な価格で、適切な広告を出して適切な流通経路に乗せれば、必ず売れる」
というものです。
 
この考え方は特に小売業と相性が良いことで幅広く活用されました。
 
しかし、発案されたのが1960年代ということで現在よりも極めて単純な時代でもあり、企業間生産財向け(BtoB)、関係性マーケティング、サービスマーケティングなど現在の本当に多様なレベル&分野にあっては、この4つでは「定義」として機能しづらいことが露呈しました。
 
そこで上記の4つ以外にも様々な「P」を加えての考え方が現れることになります。
 
・Physical environment 物理的環境
・Process サービスプロセス
・People(Personnel) ヒト
・Productivity and quality 生産性とサービス品質
・Physical evidence 物的証拠
・Package 包装、見た目
・Popularity 大衆性
 
1960年代が製造業と小売り業が主体だったのに対して現在はサービス業の比重が高まっているので、サービスマーケティングに必要な「P」が増えた、と考えられます。
 

■ 加えるのは「Personnel(個人)」と、「Package(演出)」


 
しかしちょっと多すぎて頭に入りきりませんね。上記全てを加えると「マーケティングの11P」となってしまいます。
 
そこで私は、パチンコ店としては上記の新しく加えた中から「Personnel(個人)」と「Package(演出)」を加えた「6P」を考えるようにしています。すなわち、
 
「適切な遊技機があり、適切な運用(利益率、玉粗利)を行い、適切な接客サービスを提供し、適切な広告を出して、適切な店内演出(販促)を行い、適切な機種配置にすれば、必ず遊技していただける」
 
です。
 
(1) Personnel(個人)
 
サービス業において接客担当パーソネルの重要性は今更説明不要でしょう。「接客」はサービス業において店舗の評価に影響するほど重要なものです。今はほとんどの企業、店舗で接客研修の導入も進んでいます。そのくらい重要性は高いという認識がされている「P」です。
 
ただ、私は接客スキルの重要性に加えてもう一つ、「接客担当者のモチベーション」がとても重要だと考えています。この「接客担当者のモチベーション」を上げるための考え方として「インターナルマーケティング」というものがあります。
 
インターナルマーケティングとは、社員を「企業にとってのお客様」と捉えて社員が働きやすい環境を整えることによって、仕事への誇りを持たせたり、企業への帰属意識を高めたりすることを目的とします。これにより社員が自発的に質の高いサービスの提供を始めることになり顧客の満足度を高めることにつながります。そして顧客満足度が高くなればリピーターが増え、最終的には企業の利益につながる、という考え方です。
 
※インターナルマーケティングについてはこちらもお読みください
顧客満足(CS)が先か、社員満足(ES)が先か
https://www.ab-c.jpn.com/4540
 
適切な接客サービスのためにスキル(技術)を身につけるだけではなく、心の面からも「貢献意欲」を引き出すことでPersonnelの「適切さ」を上げることができます。
 
(2) Package(演出)
 
「Package」とは包装を意味します。製造業においては、商品自体の質(一次品質)はコモディティ化(一般化)が進むことで他社との差別化が難しくなっていくので、商品の包装や感性面でのフィット感、デザインなどで差別化を図ろうとします。(なお「三次品質」として社会的評価やブランド力という価値もあります)
 
これをパチンコ業に当てはめるとしたら、
・店内演出
での差別化が該当するでしょう。すなわち「販売促進活動」であり、提供するものは「顧客の体験価値」です。
 
ここで重要視したいのは、「目的を販売ではなく購買にシフトする」ということです。ハンソクならぬコウソクというところでしょうか。実は「購買促進」というのは日本商工会議所が定義するれっきとしたマーケティング用語です。
 

「販売促進とはメーカーや卸売業、そして小売業などあらゆる企業が、より多くの商品をそれぞれの顧客に一方的に売り込もうとする時の用語であり、売る側の強制的行為を意味する。
これに対して購買促進とは、顧客が買い求めやすいように売る側が工夫を凝らすという意味を含んでおり、小売業が知恵を出して顧客の購買を支援する行為といえる。」
(日本商工会議所、全国商工会連合会編:リテールマーケティング発展編、2015)


 
※購買促進についてはこちらもお読みください。
ハンソクとコウソク=「販促と購促」
https://www.ab-c.jpn.com/646
 

■ 新しい「P」がパチンコ店=サービス業種のカギとなる


 
先に挙げた新しい「7つのP」は、いずれも「従来型の」4Pではカバーしきれない部分に視点を向けた新しい考え方です。その中でもパチンコ店ではPersonnelとPackageを特に意識してほしいと思います。
 
・同じ商品“のみ”で戦う
・対象市場は限定的(人口の1/10が対象、現時点)
・厳格なルールの元で制限された競争市場
 
という特徴を持つパチンコ業界、競争環境で必要な「差別化」をどこで図るか。その答えがPersonnelとPackageです。
 
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