パチンコ店の禁煙化と喫煙ルームと、コロナウイルス

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。
フォロワー2,220名、Twitterアカウントはこちら 林ひでき@ぱちんこコンサルのTwitter


ビジネス・業界ランキング
 
「新型コロナウイルスとパチンコ店」の関連記事一覧はこちらから
 
いよいよ4/1から受動喫煙防止法の完全施行により、すべての事業所と商業施設において屋内禁煙がスタートします。
 
もちろん周知のとおりパチンコ店も例外にあらずです。
 
(株)JTや日遊協の調査にもある通りパチンコ店での喫煙率は一般平均よりもはるかに高く、パチンコ店ではその対応として喫煙ルームの設置が進んでいます。
 

JTが2018年5月に行った調査では、全国の喫煙者は20%を下回り、喫煙人口は1,880万人となっているとのことです。
 
しかしパチンコ店のお客様に限った調査となると(日遊恊の調査)、


このグラフのとおり、約6割(58.2%)のお客様はたばこを吸うことがわかります。
 
「パチンコ店とたばこは親和性が高い」というのはデータ上からも明らかです。

次週(3/22~)は新台入替サイクルに該当するお店も多く、そのタイミングでの工事がピークを迎えることでしょう。
 
さてここで少し気になる報道がありました。
 
「喫煙所」が「新型コロナ」クラスター発生源に

喫煙所がクラスター発生源に
 
新型コロナの感染では、クラスターと呼ばれる感染者の集団から玉突き状に感染者を増やすことがある。このクラスターを作らず、早期に発見して拡大させないことが重要だ。
 
クラスターが発生しやすい環境は、多数の人間が換気の悪い狭い区域や場所に長時間、集まって濃厚接触をするようなケースだ。コンサートや展示会などのイベント会場や立食パーティなどを行うボールルームなどが該当する。
 
政府は、クラスターの発生を防ぐため、換気が悪く人間が密集する空間を避けるように求めているが、喫煙室や喫煙所もクラスターの発生源になる危険性が高い。
 
(中略)
 
クラスターの発生を防ぐためには、喫煙室や喫煙所の使用も避けるよう呼びかけるべきだし、施設管理者はその一時的な使用停止も考えるべきだろう。

 
この記事は2020.3.2のYahoo!ニュースに掲載されました。
 
記事内容の前半はたばこの一般的な病気との因果関係を述べており、この点はこれまでも言われていたことです。
 
そして記事後半で、「喫煙が4月以降、狭い密閉空間に集められること」を懸念しています。
 
このこと自体は特に科学的な根拠はなく推測される状況を基に展開されているものであり、「そういうこともあるかもしれない」という印象を受けました。
 
しかしその後、一部の商業施設や鉄道会社で喫煙ルームの一時使用中止を相次いで発表、実施されました。
 
イオンの取組み

阪急電鉄の取組み

 

 
これは、喫煙ルームに感染拡大のリスクがあるということを示しているのはないかと思います。
 
改めて、今回の措置による喫煙ルームの技術的要件を確認してみます。
 

【条件】
1.出入口の風速を毎秒0.2m以上確保
2.たばこの煙が漏れないように壁・天井等によって区画
3.たばこの煙を屋外に排気
4.施設の出入口および喫煙専用室/加熱式たばこ専用喫煙室に法令により指定された標識の掲示
※喫煙専用室および加熱式たばこ専用喫煙室には20歳未満の者(従業員を含む)を立ち入らせてはいけません
※経過措置として、脱煙機能付き喫煙ブースを設置することが認められる場合があります

JTウェブサイト「改正健康増進法について」
 
上記条件のうち②と③は設置の工事に関することですが、今回特に気になるのが①の条件です。
 
この風速で換気となるのか、ということです。
 
これについて「喫煙ルームは安全、感染拡大が発生する可能性のある場所とは言えない」という、以下のような意見も頂戴しました。

・現状では設置せざるを得なく、またエレベーター(特に旧型)と比較すれば吸排気基準も明確。
・「0.2m/毎秒」以上の排気で店内の換気は「店内1回/1時間」レベルなので、①は大丈夫。心配するのは、「開閉ドアの接触部」の方ではないか。

 
しかしこれらの意見で一部認識に誤りがあるように感じます。
 
それは「今回の①の基準は出入り口に関することで、ルーム内の空気の流れの基準ではない」ということです。 
受動喫煙防止法では「喫煙個所の煙等が外部に漏れないよう、風の流れを外部からルーム内に向ける必要があり、その基準数値が0.2m/秒」としています。排気ではなく、吸気です。そしてルーム内の空気循環を示しているわけではないです。
 

ウ 喫煙室の出入口の開口面における風速の測定について
(ア) 風速測定の方法
ガイドラインでは出入口の開口部分において非喫煙場所から喫煙場所へ向かう0.2m/s以上の一定の空気の流れを作ることが求められている。出入口にドアが設置されている場合は、ドアを開けた状態で風速を測定しなければならない。

厚生労働省 効果的な分煙対策を行うための留意事項
第3章-1-(1)-ウ 喫煙室の出入口の開口面における風速の測定について

なお、「0.2m/秒」と言われてもいまいちピンとこないと思います。
 
これは「1秒間に0.2m移動する」という意味なので少しわかりやすく表記しなおすと、「1メートル動くのに5秒かかる」ということであり、ものすごく弱い風ということが分かると思います。たばこを吸い息を吐く、この時の風速は0.2/秒をはるかに超えるスピードです。
 
厚生労働省は公式発表にて一定の条件を満たす以下の場所を感染拡大懸念のある場所として挙げています。
 
①屋内の閉鎖的な空間
②人と人とが至近距離
③一定時間以上交わる場所

上記は専門家会議で定義された、患者集団(クラスター)が発生する可能性がある場所です。
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
 
喫煙所はこの条件に合致しています。
しかし条件に合致しているからダメ、ということではなく、
 
・条件に合致している事実
・感染拡大を起こさないためにできることを店内以上に気を付けること
 
を認識し、こまめな換気、清掃、消毒液の常備等が必要だと思います。
 
パチンコとたばこは親和性が非常に高く、喫煙ルームの設置はほぼ必須だと思われます。
だからこそ、今回のコロナウイルス対策もしっかりとしてほしいと思います。
 
友だち追加
 
リアルタイムで情報発信、LINE公式だけの企画もあります。
ただいまお友だち追加で書籍「ジリ貧パチンコホール復活プロジェクトPDF版」をプレゼント中!


 
 

 

ABC株式会社の【法人セミナー、研修】のご案内

 
「ABC株式会社」では単一企業様でのセミナー、研修を実施しております。
内容については法人様のご意向を踏まえてカスタマイズをさせていただきます。
 

■ 内 容

ご依頼いただきました会社様とのご相談にて決定させていただきます。
※基本の内容は「計数管理」、「業界動向」、「マーケティング」の内容が中心です。
「計数管理研修」は3~5回の連続開催を推奨いたします。
詳しい内容はこちらをご覧ください)
「業界動向セミナー」は随時必要なタイミングでの開催を推奨いたします。
 

■ 時 間

概ね4時間程度いただきます。(休憩時間を含みます)
 

■ 費 用

受講者様お一人様あたり「2万円(税別)、最大20万円(税別)」となります。
※11名様以上の場合、何名様のご受講でも20万円(税別)となります。
 

■ その他

交通諸経費を別途ご請求となります。
 

■ 過去開催内容

・計数管理研修 基礎編、応用編、実践編
・成功事例と失敗事例から見る戦略の有用性
・ぱちんこ経済学
・ぱちんこマーケティング
・現場の対策4つのできること
・低稼働から脱却するために
・業績アップのために考える事
・新規則機、6号機の扱い方
・リーダーシップと人材育成
・その他
 

■ お問い合わせ

弊社代表の「林 秀樹」までご連絡ください。
【メール】 hayashi@ab-c.jpn.com
【ウェブ】 https://www.ab-c.jpn.com/contact.html
【電 話】 (会社)06-4799-9444(携帯)090-8966-0057
 
 

「現状」に不満や疑問をお持ちの方、未来を変えたい方、クリック一つで未来が変わります。
 

 
面白かった、と思った方はポチっとお願いします。


ビジネス・業界ランキング