「100日後に死ぬワニ」に学ぶ、マーケティング戦略の成功と失敗

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
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■ 「日常と非日常が背中合わせ」が共感を生んだ


 
2019年の12月にスタートした「100日後に死ぬワニ」。
 
Twitterへの投稿開始から話題を呼んだこの4コマ漫画は、著名人やネット上のインフルエンサーたちが「ファンである」と公言することでその人気が爆発的となり、「100日目」となる3月20日に向けて大きな盛り上がりを見せました。
 
有吉弘行「100日後に死ぬワニ」完結へメッセージ?早くも“ワニロス”ファン「粋な計らいですね」

 
ところで「100日後に死ぬワニ」を知らないという方のために少し解説をしておきます。


『100日後に死ぬワニ』は、きくちゆうき氏による日本の4コマ漫画作品。
 
コマの枠外で「死まであと99日」と明示された作中のワニの100日間を、4コマを1日としたカウントダウン形式で描く。
 
主人公は服を着用し人語を話すオスのワニである。先輩のワニや親友のネズミと過ごし、第1話から100日後に死を迎えるワニの過ごす日常生活が描かれる。
 
4コマ目の下には死までの日数がカウントされ、1日1話更新されるたびに残り日数が減っていく

 
Wikipedia「100日後に死ぬワニ」より)

 
何気ない毎日が淡々と過ぎ、主人公のワニくん自身がその直前まで意識することはなかった「死」、それは突然やってきます。
 
最終回は結末を自分で想像させるような展開で直接的には「死」を表現しませんでしたが、タイトルにもあるように「ワニくんの死」という最終回は決まっていました。
 
そこからこの結末は「何気ない日常は確約されたものではなく、常に危うい」というメッセージを発することになり、そこに至るまでの「本当に普通の日々を過ごす姿と、突然の死」が多くの読者の共感を得たのだと思います。
 

■ 拙速な展開によりネットユーザーが冷めてしまった


 
さて2020年3月20日、最高の盛り上がりを見せて「100日後に死ぬワニ」は完結します。
 
そして最終回とほぼ同時に(正確にはその直前から)この作品にかかわる多くのプロジェクトの発表がされました。

「100日後に死ぬワニ」書籍化&映画化発表、グッズやイベントもいろいろ展開
・書籍は4月8日に小学館から発売
・くじでダイカットクッションやTシャツなどのワニグッズが当たる「100ワニ コレクション」(1回550円、ハズレなし)
・「いきものがかり」とコラボしたムービーが公開
・ポップアップショップ「100ワニ追悼 POP UP SHOP in ロフト」:渋谷、名古屋、梅田のロフトで3月21日から4月24日まで
・「100日後に死ぬワニ展」、4月15日から4月28日までアソビル(横浜)で開催。入場無料、きくちさんのライブペインティングも
・バンダイからワニのアパレル・雑貨アイテムが登場。ワニが愛用している青いズボンをモチーフにしたズボンも販売
・サンスター文具がワニの「ステーショナリーBOX」を発売。プレミアムバンダイやキデイランド、ロフトなどで販売

 
こうなるとこれは、タイミング的に考えると「企画」が存在し、「作られた」ブームだったように感じてしまいます。
 
そしてネットユーザーはこういった「仕掛け」を嫌います。
 
ネット上で見つけた「面白いこと」が自然発生的に注目を浴び、「読者によって作られていく」ムーブメントは「参画意識」を醸成することで一体感を生みますが、マス媒体によって仕掛けられたものには嫌悪感を持つのです。
 
案の定、Twitterを中心とした媒体では多くの批判の声が上がってしまいました。
 
「ワニ」最終回直後の「映画化決定」発表に違和感の声「急に金の臭い」「飛ばし過ぎ」

『100日後に死ぬワニ』最初から“電通案件”?怒涛のビジネス展開で「ファンを裏切り」

この企画は発足当初、またはかなり前から展開を練りに練ったものだったのではないかと思います。そう考えないと、書籍や映画、グッズの作成がこのタイミングに間に合わないです。
 
盛り上がりまでの展開は計画通りかそれ以上だったと思います。
 
ただしTwitterの特性として「流れる」があります。そこでこの機を逃すまいと、盛り上がったタイミングで数々のコラボレーション企画の告知を仕掛けたのでしょう。
 
しかしその読みは外れました。ネットユーザーの特性を読み誤ったと思います。
 

■ 情報と世論の統制が成功のカギ


 
今回の事例の成功点は、
 
・インフルエンサーを活用することで「自然発生的な」盛り上がりは作ることができた
ことです。
 
過去のように広告代理店が前面に立って仕掛けるのではなくその影を消し、インターネット上の小さな力、小さな声の集積を図ることで一大ムーブメントを作り出せることが立証された点が成功点だと思います。
 
いっぽう失敗点もあります。それは、
・世論の統制を甘く見ていた
ことです。
 
現在は「Web3.0時代」と言われており、「1対多方向」の情報受発信時代です。

Web 1.0 ~ Web 3.0 ってどういうことなのよ

Web 1.0 ~ Web 3.0 は、インターネットコンテンツ変遷の説明として使われるようです。
簡単に言うと

Web 1.0 ⇒ 一方向の時代
Web 2.0 ⇒ 双方向の時代
Web 3.0 ⇒ 多方向の時代
 
と言われているみたいです。

Web 1.0 は大体1990年台から2000年台半ばまでのことを指し
Web 2.0 は2000年台後半から現在の事を指します。

Web3.0ってなに?より)

 
消費者が自由に意見を発しまたそれを多方面に向けることができる現在において、大手メディアによる世論のコントロールは難しいということがまた一つ証明されたといえます。
 
インターネットを介したマーケティングは上手に活用すれば大きな効果を生むことができます。それは情報の拡散力だけでなくコストの面でも非常に有効です。
 
しかし、インターネットの活用で「広告に寄与、拡散する実行部隊」は統制された組織ではなく消費者(ネットユーザー)であり、その特性を理解しないと逆効果を生んでしまうこともあります。
 
今回の事例を参考に、自社(自店)のウェブマーケティング戦略に生かしてもらいたいと思います。
 
 
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