”既存客層”にいる”新規”に目を向ける

■”既存客層”にいる”新規”

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。


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現在のパチンコ店は、一部に高稼働の店舗はありますが、総じて厳しい稼働が続いていると感じます。
 
そういった店舗では稼働が厳しいことで必然的に利益率が高くなるのですが、その高利益率営業でも利益確保ができていない店舗は非常に多いです。
 
「利益率が高く、利益額は低い」という、非常に危険な状況です。
 
この問題(稼働が低く利益が稼げないので、利益率が高い)の根本原因は改めて言うまでもなく
・売上が低いこと
です。
 
売上が低いから利益率が高くなるのですから、つまり逆説的ではありますが、解決策は「売上を上げること」となります。
 
ただ「売上を上げよう」と言っても、それが簡単にできるなら厳しい稼働にはなっていないはずです。
 
このサイトの「創業の想い」でもお伝えしているように、「どんなに業績が厳しいお店でも手を抜いている人なんか一人もいない」と思います。
 
しかし結果に大きな違いが出ているのは、おそらく「やっていることが間違っている、または闇雲で効率的にできていない」からではないでしょうか。

 

■売上=客数×客単価



単に「売上を上げよう」ではなく、そもそも「売上とは何なのか、構成要素はどういったものか」から考えてみます。
 
一般的な商売での売上の計算式は
・客数×客単価
ですから、売上を上げるためには客数を増やすか単価を上げればよいことがわかります。
 
これをパチンコ店で考えるならば、
・客数を上げるか、玉単価を上げればよい
となります。(厳密にはパチンコ店では「滞在時間を伸ばす」も考えられます。)
 
これらのうち「玉単価を上げる」はスペックや交換個数の問題も絡むので、ここでは「客数を増やす」について考えてみます。
 
下図をご覧ください。
これは左側の項目からその構成要素を書き出したものです
 

・売上を増やすには、客数を増やすか単価を上げればよい
・その客数を増やすには、新規客を増やすか既存客を増やせばよい

というように展開しています。
 
この図を見ればわかるように、売上を上げるためには(単価アップを考えなければ)客数を増やさなければいけないのですが、客にも新規と既存とあるわけです。

 

■狙うべきは「既存客層の、新規」



しかしここで多くの人が間違うポイントがあります。それは、
・新規客には「新規客層の新規」と「既存客層の新規」がある
という視点です。
 
一般的に言われる「新規客」というのはいわゆる「完全な新規」です。
 
しかしそういった新規客は、そもそも自店に来ていない客層であり「今の自店を気に入っていない層」を呼び込まなければいけないのですから、呼び込むには今のすべてを変える必要があります。これはなかなか難しいものがあります。(図の②層)
 
一方「既存客層の新規」というのは、「今自店に来ている客層と同じ嗜好を持つ層で、まだ来ていない客」と定義できます。
 
彼らは、今来ている客と同じようなものを好むのにまだ自店に来ていないだけなので、アプローチ次第でこちらに来る可能性が高いです。(図の①層)
 
つまり、
・仮定①:新規①層にはアプローチの見直しが有効ではないか
・仮定②:新規②層にはお店自体(機種構成含む)の見直しが必要ではないか

と考えられます。
 
こうなれば厳しい稼働の店舗ではどちらをターゲットとすべきかがわかると思います。もちろん新規①層となります。
 
中長期的には「新規客層の新規」を獲得していく必要があります。
 
しかしそれだけの体力がないときに闇雲に動いても結果はなかなかついてきません。目の前でまずすべきことを明確にして、一歩一歩進めていくべきです。
 
まずすべきは利益率を上げることではなく売上回復を狙うこと、そしてそのための手法及び方向性は「既存客層の新規を狙う」こととなります。

 

■思考の基は、論理的思考能力



今回は「売上」を分解して考えてみました。こういった思考の過程が「論理的思考」です。
 
「戦略を立てる、戦術を考える」、その論理的思考能力を伸ばすにも、計数管理のトレーニングを積んでほしいと思います。

 
 
 

 

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