計数の理解でできること(6) 出てはいけないときに出る理由

計数の理解でできること(6)

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。


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日々の営業ではこれらのような疑問、悩みがあると思います。
このような悩み・問題は、実は計数管理の知識があれば的確な答えが導き出せます。
 

■ 出てはいけないときに出るのはなぜか


前回は体感スタートとホールコンピュータ(HC)で確認するスタートの違いを見ました。
 
・HCスタートではお客様の体感する回転数の把握ができないときがある
・回る時間よりも、回らない時間の方が体感的には重要

 
で、まずは回りムラのないメンテナンスを志向することが稼働を上げて利益を確保することに繋がるというお話です。
今回は、
 
・なぜ、出てはいけないときに出てしまうのか
 
についてお伝えします。

 

■ 出方は計数項目できまる


遊技機の出方はメンテナンスからの計数数値で決まります。必要な計数項目は、
 
・スタート(S)
・ベース(B)
・大当たりでの獲得玉(TY)
・大当たりまでの回転数(TS)
・客滞率
 
で、この5つの数値を基に計算するのが「割数=借りた玉の何倍の玉を出せるか」です。数値で確認してみましょう。
 
例) CRスーパー海物語IN沖縄4(TS319.6)
・スタート 5.30回/分
・ベース  30.0%
・TY    4,300個
・客滞率  130%
 
上記の条件で計算すると割数は10.24割、28個交換の場合は8.5%の利益率となり、玉粗利が0.13円になるので、稼働が10,000発だとすれば台粗利は1,345円と計算できます。


 

■ 割数はメンテナンス以外も影響する


ここで例えば、
 
・CR沖海4は毎日同じでいく
 
という営業方針だったとしましょう。
 
その時に「同じなのだから、同じメンテナンスで営業する」としてそのまま週末に突入したとします。ただ、週末は稼働が高くなり、また持ち玉で遊技するお客様も増える傾向があるので、このことを条件に加えて計算してみます。
 
例②) CRスーパー海物語IN沖縄4(TS319.6)
・スタート 5.30回/分
・ベース  30.0%
・TY    4,300個
・客滞率  180%
・稼働   15,000発
 
上記の条件で計算すると割数は10.34割、28個交換の場合は7.7%の利益率となり、玉粗利が0.09円になるので、稼働が週末で15,000発まで伸びるとしても台粗利は1,334円と下がってしまいました。


 

■ 「何」を同じで志向するかによって変わる


特に海物語系の機種は年配の常連客向けに「毎日、同じ」を志向するお店が多いと思います。
 
しかしこの「同じ」にもいろいろな捉え方があるもので、一例を挙げると、
 
① 毎日同じ、メンテナンス(スタート、ベース)
② 毎日同じ、割数(利益率)
③ 毎日同じ、玉粗利
④ 毎日同じ、台粗利
 
等の捉え方があり、それぞれ得られる結果が違います。これら4つの手法で平日→週末の変化がどのようになるかというと、

① 同じメンテナンスの場合 → 利益率が下がる(台粗利は稼働による)
② 同じ割数の場合 → メンテナンスが下がる(下げないといけない)
③ 同じ玉粗利の場合 → メンテナンスが下がる(下げないといけない)
④ 同じ台粗利の場合 → メンテナンスが下がる(下げないといけない)

となります。

 

■ お店にとって最も重要なこと


お店にとって(会社にとって)重要なことは、言うまでもなく「利益」です。「同じ営業を志向しているから」と言って同じメンテナンスで毎日営業すると、稼働が見込める週末ほど利益率が下がり、本来確保すべき必要な利益を失うことがあります。
 
そしてその原因はメンテナンスや確率のせいではなく、「客滞率=お客様の持ち玉遊技時間比率」のせいです。
 
今一度「割数=借りた玉の何倍の玉を出せるか」に必要な計数項目を確認すると、その中には
・客滞率
があります。
 
割数は5つの数字を使って計算しますが、基本的には「どこかの数字が上がれば、結果の数字も上がる」ことになるので、当然客滞率が上がれば割数も上がってしまうのです。
※出玉率が100%を下回っている場合はこの限りではありません。
 
・毎日同じ「回転数」を志向するなら、稼働の見込めるときは利益額を下げた計画が必要です。
 
・毎日同じ「利益額」を志向するなら、稼働が見込めるときはメンテナンスを下げる必要があります。
 
・週末は「利益を確保する」営業を志向するなら、週末は客滞率を考慮したメンテナンス、具体的には自身で考えている数値よりもさらに低めにする必要があります。
 
「週末になると噴く」、この原因は客滞率を考慮しない営業計画、メンテナンス計画にあるのです。


 
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