計数の理解でできること(5)体感スタートと1分間スタートの違い

計数の理解でできること(5)

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。


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日々の営業ではこれらのような疑問、悩みがあると思います。
このような悩み・問題は、実は計数管理の知識があれば的確な答えが導き出せます。

前回までの内容ではスタートを重視することを主軸としたお話をしてきました。
ただ、一般的にお店側のスタート管理は「1分間の回転数」で考えますが、それがどれほどお客様の体感上で分かるものか、というと実はあまり影響がないという事もお伝えしました。

この「感覚、捉え方」のズレが時として大きな誤りにつながることになります。

■ 「回る、回らない」、この差は回転数ではなく図柄停止時間



例えば上記のようなスペックの遊技機があったとしましょう。(A)の遊技機と(B)の遊技機はどちらもホールコンピュータ上のスタートは同じ5.0回転です。

しかし実際の遊技では(A)の台が10秒間回らない時間があるのに対し、(B)の台はずっと途切れることなく回り続けます。体感上、どちらの方が「回る」と感じるかは言わずもがな、でしょう。

「割数、出玉率」は各種メンテナンス数値で決まります。上記(A)と(B)の台はどちらもスタート回転数が同じなので出方は同じになるのですが、遊技客の印象は「(A)は出そうにない」と敬遠されるでしょう。

日々の忙しい業務の中で遊技機メンテナンスに充てる時間は少なくなっています。コンピュータ上のデータ確認だけでメンテナンスを決めているとこのように間違った判断をしてしまう恐れがあり、結果として(A)のような台は稼働がどんどん低下してくことになります。そしてこの台に座ったお客様は「この店は回らない!」と思われることでしょう。

■ 回らない時間が少ないほど、体感スタートは高い


今度は(A)(B)をA店、B店として考えてみます。A店とB店は競合で同じ分岐割数で営業しているとします。

A店もB店も同じ1分間スタート(5.0回転)なので、割数も出方も利益率も全く同じです。
しかし前ページで確認したようにA店は回らない時間が多くあるので、体感的にお客様は「B店の方が回るし、出そう」と考えます。結果的に「同じ利益率なのに、A店の稼働は下がっていく」となります。

ここでA店の店長が「もう少し回してみよう」と考えて、例えば1分間スタートを5.5回(+0.5回)としたとします。

ちなみにCR沖海4、28個交換(11.2割分岐)での割数は以下のようになります。
【条件:BY10.0 BA100% T1Y1,400 客滞率140%】
A店 S5.5回 → 11.01割(利益率1.7%)

B店 S5.0回 → 9.26割(利益率17.3%)

このようにA店はほぼ利益ゼロ営業で「回して、出して」稼働を回復させようとしました。それでもお客様の反応は「A店は回らない、出そうにない」となり、B店との稼働格差は縮まりません。

■ 回転数より停止時間、この改善で利益と稼働は両立する


A店が1分間スタートを上げてもお客様の反応は芳しくないのは、たとえ+0.5回にしてもせいぜい体感スタートでは5秒ほど回る時間が増えるだけなので、依然として「回らない時間」があるためです。

A店のメンテナンスのまま回らない時間をなくそうとするならばあと+10秒、つまり+1.0回転=S6.0が必要になります。5.5回でほぼ利益ゼロなのに、6.0回にしたらどれほど大きな赤字営業になるでしょうか。しかもその赤字営業で、やっと体感スタートはB店と同じスタートラインだという恐ろしい現実です。

回転数を上げる努力ではなく、回りムラを軽減させる努力の志向で、利益と稼働の両立は可能なのです。

遊技機メンテナンスは「「回りムラ」をなくすことが絶対です。
そしてそれは絶対にホールコンピュータのデータではわかりません。

「おかしいな」と感じたら必ず試打をして、遊技を「体感」して確認をしてください。 
<了>

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