【パチンコ計数管理 基礎編17】意図しない出方を避ける手法(2)(月刊AJ連載17)

 パチンコ計数管理
 
この文章は月刊アミューズメントジャパン誌にて連載されている「基礎から再確認 パチンコ計数管理 」の第17回、2020年10月号に掲載されたものです。
 
改めてウェブ上にアップすることで連載内容のおさらいになるかな、と思いますので、今後も定期的にアミューズメントジャパン誌の連載をアップしてまいります。
 

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皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。パチンコ計数管理 に対して苦手意識を持つ方も多いと思います。この連載ではそういった苦手意識を克服していただくために、分かり易くお伝えしています。

今回は、前回に引き続き「意図しない噴き方をする理由とその対処」をお伝えします。

■ 意図しない噴き方のもう一つの原因、客滞率

客滞率の影響
前回は「意図しない噴き方の原因の一つに、稼働格差がある」というお話でした。店舗平均稼働が低くても全体が同じような稼働なら安定し、店舗平均稼働が高くても突出した一部の機種が稼働を引き上げている場合(大体において稼働が高い機種は「出ている」場合が多い)、安定せずに意図しない噴き方になる、というお話です。

しかし意図しない噴き方の原因には、もう一つ重要な要素があります。それが「客滞率」です。そしてこれは特に稼働の高いとき=利益確保をしたいときに発生してしまう、厄介な現象です。

■ 客滞率で割数、利益は変わる

変わる
ここで下の図をご覧ください。この条件、つまり遊技機のメンテナンスに一切の変更がないときに客滞率だけを変化させて結果を確認してみます。

割数の計算

(1)客滞率が130%だった時の割数

BO=TS÷S×100≒5,714
B%=100%-B=71.6%
Bサ=BO×B%≒4,091

売上玉=Bサ÷客滞率×100≒3,147
差玉=Bサ-TY=▲209
機械割数=(売上玉-差玉)÷売上玉×100≒10.66割

(2)客滞率が180%だった時の割数

客滞率以外の条件が変わらないのでBO、B%、Bサに変化はない。
BO≒5,714、B%=71.6%、Bサ≒4,091

売上玉=Bサ÷客滞率×100≒2,273
差玉=Bサ-TY=▲209
機械割数=(売上玉-差玉)÷売上玉×100≒10.92割

以上、(1)と(2)を比べると、遊技機のメンテナンスが全く同じでも割数が上がることがわかります。

■ 毎日“同じ”営業

毎日同じ営業
一般的に休日は長く遊ぶ方が多くなり客滞率は上がります。ここで例えば「毎日、同じ営業で遊技客に安心感を提供する」という方針だったとします。上記(1)と(2)は、この時に「同じなのだから、同じメンテナンス」で営業すると客滞率の変化でこのように割数が変わることを示しました。
しかしそうはいっても「たった0.26割、誤差の範疇ではないか」という意見もあるかもしれません。これを具体的な数値で考えてみます。

(3) 具体的な変化

※上記(1)をA、(2)をBと表記、また損益分岐割数を11.2割とする。
※休日は平日の1.5倍の稼働(平日10,000発→休日15,000発)とする。

① 粗利益率
粗利益率=(損益分岐割数-実割数)÷損益分岐割数×100
なので、
A (11.2-10.66)÷11.2×100≒4.82%
B (11.2-10.92)÷11.2×100≒1.88%

∴ 2.94ポイント減、約61%減となってしまいました。

② 台粗利
台粗利=売上×利益率
A (1.5円×10,000発)×4.82%=723円
B (1.5円×15,000発)×1.88%=423円

∴ 台粗利は▲300円の減少となります。

③ 玉粗利
玉粗利=台粗利÷アウト
A 723円÷10,000発≒0.07円
B 423円÷15,000発≒0.03円

∴ 玉粗利は▲0.04円の減少です。

ここで、仮に営業方針の「毎日同じ」が「割数を同じくする」という意味だったとします。これは、

・毎日同じ割数なので休日は稼働が上がる分、同じ割数でも台粗利が上がる

ことを想定することになるのですが、上記②の計算結果(台粗利の計算結果)は逆に平日よりも台粗利の減少となっています。

さらに、仮に同じ割数だったら予定する台粗利は1,085円(1.5円×15,000×4.82%)になるはずなので、差し引き▲662円の大きなマイナス(423円-1,085円)になります。

また、「毎日同じ台粗利で営業して、週末は活気を出す」という営業方針だったとしても同じ遊技機メンテナンスでは平日723円に対し休日が423円なので▲300円となります。

このように「同じを志向するから」と言って同じメンテナンスでは利益は減少します。

もしも「同じメンテナンス」と言う営業方針だとするなら、休日は利益が減少する計画でなくてはいけません。

しかし通常はそうではないでしょう。
なぜならお店を強くするには「出すべき時に、出す」営業が必要ですが、出すばかりでは経営が成り立たないので出す財源確保のためには「取るべき時に、取る」ことが求められるからです。

そして、一般的に「取るべきとき」というのは休日であり、その休日に「取る」ためには客滞率を考慮した計算をしてしっかりとメンテナンスを下げる必要があるのです。

稼働の高いときに意図しない噴き方をしてしまう原因、それは「客滞率が高くなるから」です。

【今回のポイント】
・毎日同じ、としてもメンテナンスは下げなければいけない
・メンテナンスが同じ、ならば休日は利益減少計画としなければならない
・休日は取る、ならばしっかりと客滞率を考慮しないければならない

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