【パチンコ計数管理 基礎編16】意図しない出方を避ける手法(1)(月刊AJ連載16)

 アミューズメントジャパン 
 
この文章は月刊 アミューズメントジャパン 誌にて連載されている「基礎から再確認、計数管理」の第16回、2020年9月号に掲載されたものです。
 
改めてウェブ上にアップすることで連載内容のおさらいになるかな、と思いますので、今後も定期的にアミューズメントジャパン誌の連載をアップしてまいります。
 

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皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。計数管理に対して苦手意識を持つ方も多いと思います。この連載ではそういった苦手意識を克服していただくために、分かり易くお伝えしています。

今回は次回と連続でお店の営業について、「意図しない噴き方をする理由」をお伝えします。

■ 利益が多いほど、お店は強くなる

パチンコ店に限らず業績を上げるためには「お客様の期待に応える営業」が必要です。製造業であれば顧客である小売店、もしくはその先の一般顧客が欲しがる商品の開発であり、小売店であればもちろんその欲しがる商品の仕入れとなるでしょう。

パチンコ店においては、(いろいろな要因もありますが大きくは)それ=お客様の期待は「出玉」となるかもしれません。

つまりパチンコ店において「業績を上げる」と考えた場合にすべきことは、
・出すべき時に、出す営業
です。

しかし「出す」だけでは経営は成り立たちません。「取るべき時には、取る」営業が必要です。快適な設備や魅力的な新台、そして出玉と還元することがお客様の支持を得るための施策となりますがそのための財源は絶対に必要です。

つまり、逆説的ですが「利益をしっかりと上げたお店が、強くなる」と言えるのです。

■ 低稼働では暴れても仕方がない

「利益をしっかりと上げたお店が、強くなる」とはいえ、意図しない出方(俗に暴発と呼ばれる)があることでなかなか思うように利益の確保ができないことがあります。多くは稼働が低いことで安定しないというのが理由でしょう。

例えばアウトが3,000のお店はアウト12,000のお店で言うところの午前中だけで一日が終わるのと同じですから(営業結果が4分の1しかない)、アウト12,000のお店と同じ「波、結果」になるためには4日がかかります。そしてアウトが12,000でも意図しない出方で終わる日はあるものですから、それこそアウト3,000のお店が計画通りの営業をすることはかなり難しいことが分かります。

■ 突出した機種の影響を受ける

しかし実は「稼働が低いこと」だけが問題ではないです。むしろ稼働がそこそこなのに出方が暴れて困っているというお店の方が多いと思います。

ここで図をご覧ください。

このような3機種があった場合の平均出玉率はいくつになるでしょうか。単純に足して3で割ると101.67%となりますが、もちろん違います。

平均を求める場合は単純に足して項目数で割る単純平均法ではなく、項目ごとの重みを考慮した加重平均法で求めます。

加重平均法で求める平均の出玉率は以下のようになります。

出玉率=セーフ÷アウト×100
=(3,666+13,404+2,376)÷(3,900+11,700+2,400)×100
≒108.03%

このように稼働に偏りがあるとその突出した機種の出方で全体が大きく左右されることが分かります。そして全体の平均稼働がそこそこあっても偏りがあることで意図しない出方となっているのです。

■ 対策

現在の遊技機の性能は基本的に「甘い」仕様になっています。

・高ベースで玉単価(コイン単価)が下がり、売上増加スピードが遅い
・時間当たりの出玉率を抑えるために特賞消化時間が長くなっている

辺りが理由です。
こうなると一部の「出る」機種の稼働がどうしても高くなり結果的に上記のように加重平均で高い出方になってしまいます。

そこで取る対策は、

・いかにして出る台を抑えるかを考える
・とにかく抑えるために全台、下げメンテナンスを志向する

というものが多く、これにより全体稼働が下がり暴れる悪循環にハマってしまいます。

「出る台を抑える」はほぼ不可能です。ここで「目的と手段」の関係から考え直してみましょう。

目的:暴れないようにする
手段:いろいろ

のはずですが、これがいつの間にか、

・目的:抑えること
・手段:下げメンテナンス

と変わっています。

そもそもの目的は「暴れないようにする」です。そうすると、
・稼働の平準化をすれば出た台の影響を軽減できる
という考えに行きつきます。

「どれが出るかわからないから、保険の意味で全体を下げる」、これでは「出ない人はそもそも出る気もしないメンテナンスなのですぐにやめる」となってしまい、結果的に一部の突出した稼働を作ることが加速していきます。本当にすべきことは「全体のメンテナンスを上げて、全体的な継続遊技の期待感を高める」なのです。

■ どこまで上げるか

「全体を上げて期待感を高める」として、ではどこまで上げるべきか?となると思います。この答えは、

・シミュレーションを行い、予定に適切なメンテナンスとする

です。
過度な下げメンテナンスが顧客離れを引き起こし、そのために過度の偏りを引き起こすことが「暴れる出方」の原因の一つと考え、適切な営業メンテナンスを維持するようにしてください。

【今回のポイント】
・平均の出方は加重平均で計算する
・稼働の偏りをなくす方向を考える
・「下げ」ではなく「上げ」が暴発を抑える手法である

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