■ ひっそり登場、そして人気が徐々に高まる稀有な機種
2020年4月20日、世間はまさに新型コロナウイルスの猛威にさらされており不要不急(とされる)施設への営業自粛要請が出されていたころに、P大工の源さん 超韋駄天 (以下、超韋駄天 )の納品が始まりました。
当時は広告宣伝の自粛もあり、またその後の営業自粛期間突入もあったことでどの新台もひっそりとした稼働開始でした。もちろんP韋駄天も話題になることはなく「その他大勢」の一つに過ぎなかったです。
しかしここにきてそのゲーム性、スペックに注目が集まってきました。
1万台限定での販売だったこともあり設置店、台数ともに多いとは言えない状況ですが、設置店では軒並み高稼働を示しているからです。
下記は㈱SUNTAC社提供の業界統計サービス「TRYSEM」による、P韋駄天の導入からの稼働推移(および業界平均稼働推移)です。
「ステイホームウィーク」の落ち込みはあったものの、通常の新台とは違い稼働が特に足元の6月中旬で急上昇していることが分かります。
(5月中旬からの低下傾向はその他の新台、特にPシンフォギア2の影響かと考えられます)
■ 超韋駄天 尖ったスペックの中身を検証
では、いったい何がP韋駄天の魅力となっているのでしょうか。
まずはスペックを確認します。
※1 通常時の小当たりはRUSH直撃、右打ち時の小当たりはRUSH継続
※2 1/319.68 + 1/65536 ≒ 1/318.13
※3 1/319.68 + 1/2.07 ≒ 1/2.06
※4 1-(1.06÷2.06)^4
さて、上記スペックと共に㈱SUNTACのTRYSEMでの実際の運用データと加味してシミュレーションを組んでみました。
<TRYSEMでの運用データ>※2020.6.15の週
BY 10.4
BA 84.0%
客滞率133%
・11.2割分岐でのおおよその分岐1,000円Sは20.5回
・平均継続回数は9.64回
・平均TYは4,230個
「ものすごく尖った」印象のあるP韋駄天ですが「平均値」として考えるならばごく普通の機種ということになります。
ただし注目はシミュレーション図の右列中央、「RUSH時の継続回数」と「平均出玉」です。計算上、この数値は、
・RUSH突入時の継続回数 15.36回
・RUSH突入時の平均出玉 7,051個
と、RUSHに入った時の一撃性が突出しています。
さらに2種当たり(右打ち)はMAXで4回転しかありませんから、BOA(確変中アウト、厳密にはP韋駄天は確変ではありませんが)もかなり短くなっており、体感上の出玉スピードは他を寄せ付けない疾走感を実現しています。
「新要件での制約から出方がマイルドにならざるを得ない」、このような発想を根本から覆すスペックが実装されたP韋駄天。久しぶりに「ゲームとしての楽しさ」よりも「射幸性の楽しさ」で打ちたいと思える機種だと思います。