今、この状況はチャンスである

 

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。
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6/19(金)より県をまたいでの移動制限も解除され、いよいよ街が、社会が動き出す気運を感じます。パチンコ店としてもこれまでの厳しい営業から脱して、「普通の健全な競争」に向かうことになるでしょう。
 
そういった中、どの店も今後の営業戦略の方向性を改めて定義し直さないといけないと思います。今回はコロナ影響の前後で変わったこと、変わらなかったことを客観的に示し、「今後志向する方向性」を考えてみたいと思います。
 
※使用するデータは関西某地区地方都市、商圏4店舗です。
・A店 480台
・B店 800台
・C店 600台
・D店 520台
 

■ コロナ前後で変わったこと


 
大きく変わったこととしては、
・商圏内の総客数
でしょう。もちろん「減少」です。
 
上記商圏の総客数は以下のように推移しました。(一日あたりの平均。総設置台数は2,400台。)
 
10月 700人
11月 680人(10月比97.1%、以下同じ)
12月 730人(104.3%)
1月  720人(102.9%)
2月  700人(100.0%)
3月  620人(88.6%)
4月  430人(61.4%)
5月  450人(64.3%)
6月  560人(80.0%)
 
全国的にも5/23(土)あたりから客数の回復が感じられており、特に足元の6月後半は年金や子ども手当、特別定額給付金(ひとり10万円)の支給も影響してかかなりよくなっている手ごたえがあると思います。この商圏でも同様の推移を示していました。
 
しかしまだ10月の80%程度の回復具合であり、自店だけでなく商圏全体として同じように遊技客が戻りきっていないことが分かります。
 

■ コロナ前後で変わらなかったこと


 
ここで商圏内の店舗別データを確認してみましょう。
使うデータは「支持率」です。
 

支持率
計算式は「客数比率÷台数比率×100」で、単純な客数での比較ではなくお店の収容力を勘案した集客力を相対比較した数字。
100%を超えていたら収容力以上の集客力があることになる。
 
例)
A店150人(400台)
B店200人(500台)
C店250人(800台)
 
客数ではC店>B店>A店だが支持率を計算すると、
 
A店:(150÷600)÷(400÷1700)≒106.3%
B店:(200÷600)÷(500÷1700)≒113.3%
C店:(250÷800)÷(800÷1700)≒66.4%
 
ということでお店の強さはB店>A店>C店という順位になる。

 

さて、商圏内の各店支持率をグラフ化してみました。
 
 

・関西某地区
・2019年10月~2020年6月までの人数調査データより。
・170日~200日辺りが休業要請期間。
・パワーバランスは「B店>D店>A店>C店」
 
多少の起伏はあるものの昨年10月からコロナの影響が出る3月あたり、影響が甚大な4月(休業直前)、および営業再開後であってもほとんど支持率に変化はないことが分かります。
※D店の営業再開後の支持率が急上昇していますが、これは人数調査をしていないD店周辺の店舗が閉店したことの影響かと思われます。
 
結局のところ「外部環境要因」というものは等しく全体に降りかかるものであり今回の新型コロナウイルスの影響も全体に同じような影響を与えているので、「相対比較」としてのパワーバランスに変化は見られないです。
 

■ 違う角度で数字を見てみる


 
ところで「パワーバランスに変化はないが、総数は減少している」ということは面白い推測が浮かびます。それは、
・率が変わらなくても、実数は変化しているはずではないか
・つまり、“差”が縮まっているのではないか
・まだ戻っていない客数の戻る場所はどこになるのか
です。
 
ここで商圏2位のD店と3位のA店を抜き出して、その客数の差(実数)をグラフ化してみました。
 

 
やはり思った通り、コロナの影響が出始めたあたり=総客数の減少が顕著になってきた時期から客数の差が縮まっています。
 
これは大きなチャンスと言えるのではないでしょうか。
相対比較の比率が変わらなくても実数での差が縮まっているということは、こちらの打つ手(施策)がハマったときの効果は以前よりも大きいと考えられます。
 

■ 実数で差が縮まっているチャンスを生かす施策


 
この機会に何をすべきかについてです。
基本的に他店に流れているお客様を取り込むことは非常に難しいのはこれまでと変わりません。
 
しかし上記商圏のベース客数は10月700人→6月560人ですから、まだ戻ってきていないお客様が140人いることになります。
 
彼らが戻ってきていない理由は明確です。「コロナに対する不安」でしょう。
(もちろん、この何か月かで「パチンコに行かないことに慣れて“卒業”してしまった方もいると思いますが)
 
営業が再開されて戻ってきた方はある意味コロナへの不安をあまり気にしていない方が多いと思われます。しかし戻ってきていない層にとっては「遊び」よりもコロナに対する不安の方が重要度が高いから「まだ戻れない」のだと思います。
 
これは過去によく言われた、いわゆる「スリーピング層へのアプローチ」と同じ状況です。
当時も同じように「安心、安全な場所のアピール」が叫ばれていましたが、そもそもパチンコから離れた方に対するアプローチは効果が薄かったものでした。
 
しかし今回は「一時的に」離れただけのスリーピング層です。そして彼らの「不」は明確になっている状況です。
 
・特別な新しい対応が必要なのではなく、今行っている取り組みが伝わっていないのではないか。
 
このように考えれば、おのずとすべきことが見えてくると思います。
全国どのパチンコ店も新型コロナウイルスの感染者を出したクラスターになっていないことが示しているとおり、パチンコ店の新型コロナ対策は素晴らしいものがあります。このことが届いていない層が戻っていないのであれば、そのことをアピールすることが必要でしょう。
 
マーケティングの4Pという戦略の基本があります。
 
・プロダクト戦略=適切な商品
・プライス戦略=適切な価格
・プロモーション戦略=正しい広告、販促
・プレイス戦略=正しい販路
 
このうち「プロモーション」についてターゲットを設定し直し、明確なメッセージを作り、「どのようにすれば伝わるか」を考えてほしいと思います。
 
営業再開直後の今、上位店舗との差を縮めるチャンスであると同時に戻りきっていない遊技客を取り込むチャンスと捉えてほしいです。
 
様子見は最大の愚策です。動いてください!

 
 
 

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内容、構成は以下のとおりです。
 
第1講 数字で分かること
・小数、分数、歩合、百分率
・割数と原価率、粗利益率の関係ほか
 
第2講 遊技機の管理指標とその意味
・差玉と出玉率、割数
・S、B、BY、BA、TS、T1Yほか
 
第3講 営業状態の管理指標と意味
・Bサ、客滞率とシミュレーション
・割数、誤差玉、玉単、玉粗利ほか
 
第4講 利益と稼働の両立手法
・体感スタートとHCスタートの違い
・満足度を図る方程式「V=F÷C」ほか
 
第5講 シミュレーションと計画達成
・複雑なスペックのシミュレーション
・営業計画達成の必要十分条件 ほか
 
第6講 スロットの設定管理
・出玉率管理の論理的な考え方
・高設定の使用と利益確保の両立ほか
 

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