戦術論ばかりのパチンコ業界、戦略を語れ!段取り八分だ!
「戦略」と「戦術」は違う
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。
アメリカのクォリティ・インスティテュート・インターナショナルという会社が顧客満足についての調査をしており、その結果はとても興味深いものでした。
・商品やサービスに満足していると答えた顧客の40%以上が、あっさりと別の商品やサービスに乗り換えている。(選択肢は多く、時間は少ないから)
・あるメーカーの車の所有者の89%は自分の車にとても満足していると答え、67%はまた同じメーカーの車を買うつもりだと答えた。
・しかし実際に同じメーカーの車を買ったのは20%足らずだった。
顧客は「今現状」に満足していても、「次」はまた別の判断基準があるということです。顧客は「今」がどんなに素晴らしいサービスや商品であっても、顧客満足の充足には際限がなく、「より良いもの」が見つかればあっさりと乗り換えてしまうものです。
ということは、どうすれば「今満足している顧客をつなぎとめることができるか」を考えなくてはならないです。
そしてこの点に関して、ハーバードビジネススクールのマイケルポーター教授は明確に答えを出しています。それは「差別化を図ること」です。
ただ、この「差別化」自体は日々どのような業界のどのような企業であれ考えていることだと思いますし、実践していることでしょう。
しかし本当の意味での「差別化」ができていないから、競争状態が続いてしまうとしています。
マイケルポーター教授は「競争戦略論」(1999年 ダイヤモンド社)のなかで「品質と顧客心理」について述べており、品質の向上は業務の効率化で行い、顧客心理の分析からは戦略的ポジションの移動を考えるとしています。
面白いのは、「品質の向上=業務の効率化は、競争相手と同じことをもっと要領よくやることでしかない。」と断言していることです。
短期的には競争に勝てても、長期的にはお互いがお互いを基準にして競争するので、同じ業界内ではどの企業も似たようなものになってしまうというのです。
結局は「差別化」というのは、品質の向上や効率化で達成されるものではなく、競合とは違ったポジションに立つことであり、独自の、競合とは違う点を発見することだとしています。
・品質の向上とは、同じレースで他社よりも速く走ることを意味する。
・戦略とは、違うレースをすること、自分が勝てるレースを設定するということである。
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パチンコ業界はこれまで、「品質の向上、効率化」を追求してきたと思います。
・いかに早く導入するか
・いかに多くの台数を設置するか
・良い(と思う)遊技機をいかに早く見つけ、安値で購入できるか
・いかに高値で売るか
これらは上記ポーター教授の言葉通り短期的には効果が見られましたが、結局はどの企業も同じことを目指すことになり、差別化にならなくなってきています。
「遊技機戦略」という言葉をよく聞きますが、上記ポーター教授の定義ではこれは「戦略」ではないことになります。
遊技機に関する行動は他店、他社も同じ取り組みをしているのですから、この先を考えたら、(遊技機選定の効率化は必要ですが)遊技機以外のことにもっと力を入れていくべきだと思います。そしてそれは、「他社との違いを見つける(設定する)こと」です。
もちろんこれは遊技機のことだけでないです。他社が取り組んでいることを「もっとうまくやるだけ」のことは「戦略」ではないと考えてほしいです。
<了>
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1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。マーケティング理論と計数管理に強みを持ち、正確な計数管理力とマーケティング手法、戦略論をベースにした勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。パチンコを盛り上げるオンラインサロン「パチ盛り」の代表主宰。ツイッターフォロワー3,596人(’21.1.16現在)
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