今日は2026年1月18日、日曜日。
年も明けたということで、まずは昨年2025年の業界平均データを俯瞰してみてみようと思う。
参考にするのは(株)SUNTAC社提供のTRYSEMデータ。

自店にこない遊技客を間接的に把握するために必要な市場統計。
しかし、母集団が偏りの大きい統計データでは、その意味が薄れます。
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上記は4円パチンコ、20円スロットの2024年-2025年、台あたりのデータ一覧となる。
ざっと確認すると、この2年間で4円パチンコ/20円スロットともに以下の点で同じ傾向にある。
・アウト、台売上の低下があり、台粗利も低下
・玉粗利の上昇、利益率の上昇
※20円Sの利益率は2年間でおおむね横ばい
上記の表では少々わかり難いのでグラフ化してみると以下のようになる。
このように視覚的に捉えればわかりやすい。
そして、
・台粗利が低下しているので、お店は「取れていない」と感じている。
・しかし「玉粗利の上昇、利益率の上昇」で、遊技客は「出なくなっている」と感じている。
というようにお店視点と遊技客視点では真逆の印象が進んでいるのが、この2年間ということになる。
どうしてもお店側視点では利益の高低で考えがちであり、台粗利が低下=月間粗利が取れなくなっているのだから「取れていない」と感じることになるが、同時に台売上の低下があることで利益率≒遊技客の負け率が高くなっている。
さてそうなると、よりこの影響を受けて厳しい状況に追い込まれてしまうのが中小ホールということになる。
私に依頼がある初期の時点では、ほぼすべてそれらのお店の状況および依頼内容は、
・依頼時点での状態 → 稼働が低く利益率が乱高下し安定しない、利益が取れない
・どうなりたいか? → 稼働を高め、安定した営業になりたい
である。
今回はほぼすべての中小ホールが苦しんでいること、すなわち「低稼働、低利益」から脱却し、安定した営業内容に向かうための考え方と、実際の取り組み内容についてお伝えしたいと思う。
なおわかりやすく、また即実践に生かせるように20円Sに絞ってお伝えする。その考え方はパチンコも同じである。
■ 平均データに意味はない
私は常々「平均値に意味はない」とお伝えしている。これは「稼働(アウト、IN枚数)において平均値で向上させることに意味はない」ということなのだが、多くのお店はこの点を間違えている。
多くのお店(というかすべてのと言っても過言ではない)では、営業会議において稼働(アウト、IN枚数)の報告がある。「前月アウトは〇〇〇〇発、当月は△△△△発となっている~」というような報告の仕方だ。
しかしこの数字、もちろん高いに越したことはないが、平均値で向上したとしてもその中身を精査しないと意味がない。
私の支援先で下のような月間データのお店があった。
関西地方 某店(30日営業)
20円スロット 240台 11.2割分岐

全国平均データでは概ね5,500枚/C単価2.90円なので平均にはやや届いていないがこのくらいが中央値になると考えられるので、全国的には真ん中レベルの稼働と売上である。
その中で「もっと上を目指す」として利益率は15.6%、コイン粗利を0.44円に抑えており、中小のホールからすればとてもうらやましい、緩めの営業をしている。
しかし実はこのホールはこれだけの低利益率営業でも、いつまでたっても稼働が向上しなかった。稼働が低下するとまではいかないが、これだけ甘い利益率の営業で伸びていかないのだ。
そこで私がもう少し細かくデータを精査させていただいた。
すると以下のように歪な偏りが見られたのである。

この店舗では3のつく日に特日を設定しており、その際には「しっかりと出して、お客様の期待に応える」としていた。「出すべき時に出すお店が強くなる(はず)」という思考である。
さらに特日ではないが、毎週末には「他店対抗」として演者来店且つおススメ示唆や外部媒体のイベント(こちらは公約など)を行って、「強い日をより強く」の志向も持っていた。
しかしもちろん月間で確保すべき粗利というものがあるわけで、そうなるとその分はどこかで取らなくてはいけない。
上記のように特日は出す、週末も出すとなれば利益確保できるのは平日になるしかない。
改めて上記数値を見ると平日の利益率、コイン粗利は高くなってしまっている。
そして実は上記の表の平日には「3の日」が2回含まれているので、ここで2回の3の日を除いた平日18日間のデータを取ってみた。

なんと平日18日ではIN枚数2,024枚、利益率26.9%、コイン粗利0.98円という営業内容になっている。
一か月の60%、18日間の平均は2,000枚レベルのお店でしかない。
そしてその60%を占める日数で26.9%、0.98円の営業を行っていれば稼働が伸びるはずがないのも当然である。
改めて、プロジェクト開始前の会議に出席した際の店舗からの報告は以下のようなものだった。

・稼働は全国平均に追いついていないが、向上させるべく全国よりも低いコイン粗利、利益率としている。
・強みを伸ばすことで稼働を伸ばすべく、特に3回の特日に力を入れている。
・特日は3回平均で12,800枚、平日でも特日は1万枚を超える稼働であり、お客様の期待に応える営業を行っている。
・他店対抗もあり週末は必ず外部冠イベントか演者来店を行い、集客に努めている。
しかし結果は上記のようになかなか稼働が伸びていない。もちろん理由は明らかだ。出し方が極端に偏っており、その穴埋めを大切な常連様から取っているからである。
■ 最も大事なお客様とは、どんな人か?
もちろん今の自店が特日および外部冠イベントに依存状態だということは店長自身もわかっている。
しかし特日依存が良くないとわかっていても、もしも特日を無くしてしまうと「会議で報告する、月間データとしての」稼働が激減してしまうことが怖いのである。
実際この店舗でも計算上、特日を除いた27日では3,326枚にしかならない。(これには比較的稼働の高い週末も含む。)
「月間平均4,277枚でデータ的にまずまずのお店」というのは月間平均の稼働であり、実際のホールの稼働状況は平日2,000枚、週末5,000枚(これも外部冠イベント頼みで創った数字)のお店でしかない。
あらためて「自店の大切なお客様とはだれか?」を考えなければいけない。
そしてそれは特日に来店する層ではなく「なんでもない日に来店する層」のはずである。
私は常々、「特日ではなく特日以外、そして特に特日の前日という“最も期待薄の日に来られる方”を大事にしなければいけない」とお伝えしている。
■ おススメ機種を用意するとどうなるか?
こういった話をすると必ず言われることがある。
「イベント否定ですか?イベントはしてはいけないのですか?」
私は「イベント」というものを否定していない。
否定しているのは出すアピールに頼った営業と、外部に頼った営業である。
出玉(公約含む)、おススメ機種というイベントは否定する。
外部業者の冠を使ったイベントは否定する。
自店の冠、自店の名前を使う集客はどんどん行うべきである。
例えばおススメ機種を設定したとしよう。
・そのおススメ機種が出た場合、別の機種がおススメになったらそちらの機種に移動して、前回おススメ機種に稼働はつかない。
→ 「おススメ」というワードに稼働がつくのであって、自店またはその機種につくわけではない。
・そのおススメ機種が出なかった場合(出ない場合)、「お店の」信頼を失ってしまう。
おススメ機種が出た場合の「おススメ札」の信頼度は上がるだろう。しかしそれで企業経営にとって重要な適正利益はあるだろうか。
一般的な小売業では「ロスリーダー戦略」という考え方がある。これは、利益をかなり抑えるまたは赤字で目玉商品を用意して来店を促し、その他の「ついで買い」を誘発することで売上と利益を伸ばす戦略である。
この考え方をパチンコ営業に応用したのがここでいうイベント=おススメ機種だ。
過去にはこの手法が有効だったときがある。おススメ機種が満席なので仕方なく他の遊技機を打つ、またおススメ機種が出たことで他の機種も打ってみようという気持ちになり結果として稼働と売上が伸び利益も確保できたり、一度楽しい思いをした遊技客がおススメされていないときでも当該遊技機を打つなどで結果として利益を伸ばすことができたりした。
しかし現在は違う。
おススメ機種“のみ”を打つ傾向がはっきりしている。これでは出すだけ出されてその後に全くつながらない。
冷静に計算をしてみよう。
「IN10,000枚105%、2,000枚95%」のときの平均値は、
・IN枚数=(10,000枚+2,000枚)÷2=6,000枚
・出玉率=(セーフ合計÷アウト合計=12,400÷12,000)×100=103.3%
であり出玉率は単純平均の100%にはならない。
しかし「IN7,000枚105%、5,000枚95%」ならば同じIN枚数6,000枚で出玉率は100.8%となる。
→ セーフ合計÷アウト合計=12,100÷12,000
おススメ機種に稼働が偏るとその重みで全体の出玉率が引っ張られてしまうので想定よりも出てしまうことになる。
これを回避するためにはおススメ機種以外の出玉率をもっと下げる必要があり、それが低設定だらけになる要因だ。これではおススメ機種以外の稼働を上げる=店舗全体の稼働を上げることは絶対にできない。
イベントというのは来店を促すこと、それ自体は絶対に必要な戦略だ。
しかし手法(戦術)として選択する場合に「出しますよ!」では、得られる結果が本末転倒になるのである。
■ 外部冠イベントに“功”はない、“罪”だけ
昨今は外部業者の冠を使ったイベントが流行りである。「このイベント名のときは〇台並び」、「このカラーを使った告知のときは〇%」、「最高品質の景品を〇台用意」などなどを外部の業者が設定して、そのイベントを行うことの告知で来店を大きく伸ばす手法である。
もちろんのこの手法も前段で述べたおススメ機種の例と全く同じ構図であり、「このイベントをした時だけ」集まるようになる。そして会議で報告する月間稼働は創れるものの、その外部冠イベント日以外の稼働は散々という格差しか残らない。
そして外部冠イベントの“罪”は、店内おススメ機種よりもさらに深刻である。
・外部冠イベントで「出た」場合 : その外部冠イベント名の信頼度が上がる
→ 「やっぱり、〇〇(外部冠イベント名)はすごいな!」
→ 同じ外部冠イベントをしている別の店をぐるぐる回る
・外部冠イベントで「出なかった」場合 : お店の信頼度が下がる!
→ 「〇〇(外部冠イベント名)ですら出さない、この店はクソだな!」
外部冠イベントで出てもそれはあくまでその外部冠イベントのおかげであり、外部冠イベントの信頼度は上がるがお店の信頼度は上がらない。「おススメ機種」の場合は少なくとも自店の信頼度アップには貢献するのに、外部冠イベントでは全く上がらないどころか、同じ外部冠イベントを開催している他店に当然のように流出させることを助長してしまう。
目の前の客数向上という効果に目が眩み、一度開催してしまうとその果実の甘さに取りつかれる。『これではいけない』と思いながらも、開催しないと(会議報告での月間平均の)稼働が下がるという恐怖により、継続せざるを得なくなる。まさに「麻薬」である。
■ いま苦しんでいるすべての中小ホールへ
過去には大手法人がしている施策を真似することで中小ホールでも十分な恩恵、効果が得られた。しかし今は得られない。
それは現在と過去では置かれている状況が違うからである。
過去は様々な規制があることで逆にある意味「護送船団方式」となっており、店舗間の格差が少なかった。ポジショニングで言えば「すべての店がリーダーポジション」にいたのである。だから、他店と同じ施策をしても効果が得られた。
しかし今は違う。極端な二極化が進展し、明確なポジションの差が生まれている。だから、成功事例を真似しても同じ結果が得られない。
今すべきことは、改めて「顧客は何を求めているか、何を提供すべきか」を考えることだ。決して大手と同じことではない。
大手がおススメ機種、外部冠イベントで成功しているのはそもそも信頼感のベースが違うからである。いま苦戦していてこれから向上を図っていくことを考えている「苦しんでいる中小ホール」とは出発点が違う。
今すべきことは信頼感を向上させることのはず、そしてそれは適正な利益確保とのバランスを取りながらである。
イベントをプラスαにできる大手と、出すときを作れば必ず取るときを作らなくてはいけない中小ホールとはスタート地点が違う。それは機種ごとのおススメを用意したときも同じだ。
今すべきことはお客様が求めることを提供すること。
それは放出系のイベント開催と引き換えに平常営業時に抜くことだろうか?
それはおススメ機種を用意することと引き換えにその他の台を出さないようにすることだろうか?
今すべきことは平常営業を重視すること。
「イナゴの大群」のようなイベント狙いで定着しない客層を相手にすることではなく、いつも来てくれるお客様に平常営業で期待感を創って行くことである。
平常営業での信頼感があるからこそ、特日やおススメ、外部冠イベントがプラスαの位置づけになる。
外部冠イベントやおススメ機種を戦略の軸にしてはいけない。戦略の軸は平常営業重視にすることである。
この考え方を実際の戦術に落とし込むにはこちらを熟読していただきたい。
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