ニッポンは好景気なのか?好景気ならばそれはパチンコ業界にも恩恵はあるのか?

ABC林の雑感

日経平均株価がついに史上初めて4万円を超えた今日、2024年3月4日。ちなみにバブル期に記録した最高値は1989年12月29日の3万8,915円で、それを超えたのが2024年2月22日だった。それから11日(週末含む)でついに4万円の大台を突破である。

株価からいえることは「ニッポンは史上最高に好景気」なのだろう。

しかしパチンコ業界はどうだろうか。
本日よりパチンコでの新スペック「ラッキートリガー」搭載機種の稼働が開始となったのだが市場は業界が期待したほど盛り上がっているとは言えない。「好景気」とは無縁のようにも感じる。

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1989年12月当時私は高校2年生だったのでパチンコとは無縁ではあったが、どの業界も関係なくニッポンがとにかく盛り上がっていたと記憶している。

翻って今回の史上最高値&史上初の4万円超え。しかしその内容は円安からの外国人投資家による資金の流入が主である。

1ドル100円なら外国人は1ドルで100円分のニッポンの商品が買える。

1ドル150円なら外国人は1ドルで150円分のニッポンの商品が買える。

ニッポン安売り、大バーゲンセールなのである。

これが本当に喜べることなのだろうか。

日経平均株価とは日本経済新聞社が選定した225銘柄から構成される平均株価のことで、ニッポンの株式市場の代表的な株価指数とされる。「ニッポンの代表」なので当然大企業ばかりだ。しかしここにニッポンの企業数368万者(※「社」ではなく「者」と表記する決まり)のうち99.7%を占める中小企業は含まれていない。

また消費者物価指数という指標があり、これは市場で取引される商品の平均的な価格の動きを表す。ざっくりと、この数値は近年上昇中だ。つまりインフレ進行中、モノの価格は上がっているのである。

ここで物価の上昇とともに所得も上昇すればいいのだが残念ながらこの「失われた30年」、ほとんど所得は上がっていない。つまり家計の圧迫要因でしかなく好景気どころか緊縮財政、まったく暮らしは楽にならないという感覚を庶民が持つ根本要因となっている。

そんな中で「株価史上最高値更新、史上初の4万円超え、ニッポンすごーい」と言われてもピンとこないどころか逆に反感だって持ってしまうだろう。

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さてさて話をパチンコに戻す。

過去にパチンコは不況に強いといわれていた。不況になると娯楽に回す余裕が減るので「安・近・短」の娯楽に人気が回るとされ、その中にパチンコは含まれていた。

しかし2010年あたりからその様相は崩れている。世間が不況ならパチンコ業界も不況になるようになっている上に、好景気になったら今度はパチンコ以外の娯楽に回されるので好景気でもパチンコは恩恵を得られないようになってしまった。

いま、パチンコはその高すぎる射幸性で敷居の高い遊びになり、気軽に遊べるレジャーとはとても言えなくなってしまっている。

「ラチェット効果」により、ワンランク上を経験するとランクダウンしたものは受け入れられないのがヒトの感情だ。

※ラチェット効果とは
ラチェットとは歯止めのこと。ワンランク上の経験をすると、ヒトは後戻りしたくないので経済や環境はどんどん改善・向上していくという考え方。

パチンコの射幸性は上がりすぎた。もう、戻れない。それは、古くは5回リミッターCR機での客離れや近年では6号機スロット初期の客離れが記憶に新しい。

パチンコの射幸性は上がりすぎた。これを戻すのは今の顧客すらなお離してしまう恐れがある。

しかしやはりパチンコ射幸性は上がりすぎた。
今すべきことは今一度階層を定義し、いろいろな遊び(射幸性の階層的に)を提供することだと思う。それは貸玉料金的なことではなく、機種の性能(スペック)の階層である。

今回の株価4万円超え、これはパチンコ業界には何の影響もないと思われる。いや、むしろ政府が猛プッシュしている「貯蓄から投資へ」によって娯楽への消費に回すカネが減るのではないかとすら思う。

好景気=外部環境に期待するのではなく、店舗の努力=内部環境を強くすることに今一度力を向けるべきである。

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