経営のかじ取り

経営のかじ取り
「君らは『経営のかじ取り』というのが、どういうことをすることなのかわかるかい?」

先日、先輩経営者の会社訪問をして経営談義をしていた時にその先輩が発した言葉です。経営研究会のメンバー10人で訪問してのベンチマーキング(会社を訪問しその企業の良い点、パフォーマンスを調査すること)で、先輩経営者がスライドを使いながら企業理念や沿革、逆境に陥った時や天狗になってしまったときのこと、財務状況の推移などを赤裸々に話してくれた後の、雑談中にその質問が来ました。

「今日の弊社ベンチマーキングに来てくれたのは経営者と、何人かは経営幹部(※取締役等)の人もいるね。」

「経営、まあ営業でもそうだけど『リーダーの決断』って大事だよね。」

「ただね、この『決断』って言葉が曲者なんだよ。」

「例えば攻めるか守るか、Aという事業とBという事業、それから社員さん人数の増員方向と現状の人数での結束感向上もそうだし、顧客についても拡大路線なのかロイヤルカスタマー育成路線なのか。」

「経営判断はいつも訪れる。そこでバシッと皆を、会社を導くためには経営者は判断をしなければならない、そうだろ?」

「で、もう一度聞くけどさ、『経営のかじ取り』ってどんなことなんだろうね。」

■ どちらか一方、はない

どっちかではない
この質問の後はフリートークで「経営のかじ取り」についていろいろな意見が出ました。
その間ずっと、その経営者は聞き役に徹しています。

「重要な判断を他人に任せずに自分が決めることじゃないかな。」
「いや、自分の意見じゃなく周囲の意見の集約をしての判断をすることじゃないですか?」
「でも最終決断はやっぱり経営者の責務でしょう。」
「例えばA or Bのトレードオフ、白か黒の2択なんてのは現実の社会じゃ起こらないよね。『かじ取り』っていうのは、その両者のバランスを取ることなんじゃないかな。」

このような話を進めていき、最終的にまとまった意見は、
・A or Bのどちらかを選ぶ場面は基本的には、ない
・どちらの意見にも配慮したバランスを取ること
となりました。

これを聞いていた先輩経営者は、
「バランスを取るというのは、例えば50:50で進むことを言っているよね。」
「この意見は確かに正しいと思うよ。現実の世界では『どちらか一方』なんてないからね。」
「どちらの意見も方向性も正しい、それは往々にしてあるんだ。『一長一短』って言葉もあるものね。」

ここで先輩は「だけど、」と前置きをして、

「経営者のかじ取りというのは、やはり皆を導くものなんだよ。『自分の意志はどちらを向いているか』を明確にした方がいい。そこでこのバランス感覚の話なんだけど、実は『60:40』でいくべきなんだ。」

皆の意見を取り入れてバランスを取る、そして決断の場面では「自分の意見」を加えるのだそうです。

■ バランスを取るというのは「60:40」であること

60:40
もちろん40%となった方も進めていく。上の例でいえば「攻める方に気持ちを傾けつつ守りも見ていく、ただし重心は攻めの気持ち」、「顧客拡大の営業を強化しつつ既存顧客のフォローもする、ただし重心は顧客拡大」というように、会社(経営)の方向性は明確に示すのが経営者(リーダー)だ、とのことでした。

私自身の「経営のかじ取りの意見」は100:0の独裁者的リーダーではなく「50:50」で皆のバランスを取ることだとしていました。しかしそれではリーダーではなくバランサーでしかないのでまとまらないそうです。どちらの意見も「自分の意見が正しい」と思っているわけなので譲れないことになり、そこにどっちつかずでは「弱いリーダー」として吸引力の低下につながってしまいます。

逆に軸足を明示した60:40とすることで、自分の方向性とは違う少数派(40%の方)も「0ではない」意識をもち、また自分とは逆に60の意見にも「会社(リーダー)の方針」として従うようになるそうです。

リーダーシップ論は奥深いな、と感じたベンチマーキングとなりました。
お店の(会社の)意見集約、方向性の決断場面においては、独善的な100:0的で有無を言わせないリーダーは間違っていた時に致命傷となります。それは自身の信用失墜というレベルではなく会社の存亡にかかわるからです。

かといって50:50では弱いリーダーとしてまとめることができなくなります。

「60:40」のリーダー、意識してみてはいかがですか?

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