【パチンコ計数管理 基礎編13】HCスタートと体感スタート(月刊AJ連載13)

 体感スタート 
 
「 体感スタート を重視する」
この文章は月刊アミューズメントジャパン誌にて連載されている「基礎から再確認、計数管理」の第13回、2020年6月号に掲載されたものです。
 
改めてウェブ上にアップすることで連載内容のおさらいになるかな、と思いますので、今後も定期的にアミューズメントジャパン誌の連載をアップしてまいります。
 

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皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。

計数管理に対して苦手意識を持つ方も多いと思います。この連載ではそういった苦手意識を克服していただくために、分かり易くお伝えしています。

今回は店舗管理者が計数管理や機械整備でもっとも気にする「スタート回数(S)」という指標を、ホールコンピュータ上のものと遊技客が感じるものと2つの見方から考えてみます。

■ スタートと 体感スタート

サティスファクション
一般的に遊技客の満足度を測るためには、データ管理の中でも主にスタート回数をチェックします。ところがここに落とし穴があり、データ上のスタート回数だけでは把握できないこともあるのです。

例えばある店長が競合店調査として他店で試し打ちをしたときに、1,000円あたりのスタート回数は自店とほぼ変わらないという結果だったとします。現在の遊技機のほとんどは、

・保留玉が少ないとき・・・リーチを多く変動秒数を長くしてできるだけ回転が途切れないようにする
・保留玉が多いとき・・・リーチを少なく変動秒数を短くして回転効率を上げる

という性能を持っています。
このときに、例えば同じ「1,000円あたりのスタート回数が20回」というデータがあっても、

① スランプが大きい20回
② スランプがあまりない20回

では遊技客の受ける印象はまったく変わります。

HCスタートと体感スタート
ここで上図のように2種類のスタート入賞のしかたがあるとします。

この両者を比較するとアウト100個あたりの回転数が同じ5.0回転でも、(A)のようにスランプが大きい場合は60秒間(アウト100個)で回転している時間が50.0秒なのに対し、(B)のように安定して回転している場合は60.0秒です。ホールコンピュータのデータ上は同じ回転数ですが、遊技客の印象は「(A)のお店(または台)は回らない」となってしまいます。

つまり、「何回まわったか」よりも「回らない時間の多寡」のほうが体感上で受ける印象が強いのです。

どのような機械整備でも必ずスランプは発生し、逆にそのスランプがパチンコの面白さを演出します。パチンコにおいて少々のスタートスランプは必要ですが、あまりにも大きなスランプがあるようでは遊技客にストレスを与えてしまいます。このような現象をなくすためには、

・極力スランプを軽減するようなゲージ
・遊技機性能、特性の把握

が必要です。

■ 高スタート回数に固執しないこと

高スタートに固執しないこと
次に、「自店は競合店よりもスタート回数が高い」という状況を考えてみます。例えば前記のような特性を持つ遊技機について、

① スタート回数6.5回 BA少なめ、T1Y少なめ
② スタート回数6.0回 BA100%、T1Y標準
※割数は同じとする

という状況だとします。このとき保留玉の数が多いほど(=スタート回数が高いほど)回転効率重視となってリーチ出現率が低下します。

パチンコという「ゲーム」を楽しむにあたり、大当たりまでがいかにワクワクするか、演出で楽しめるかが重要なのですが、①の方向性ではリーチ演出が少なく、退屈なゲーム性となってしまいます。

リーチ出現率はカタログや営業資料等には詳細な数値が載っていないことが多いのですが、実際に閉店後などに手回しで常に保留玉を4つ点灯させるようにスタートを回していくと実感できます。

ホールコンピュータに示されるスタート回数は「アウト玉数100個あたりのスタート回数」です。「スタート回数が6.8回」ではオーバーフローを起こしている可能性が高く、遊技客は止め打ちをしていると考えられます。

オーバーフロー状態でのある一定以上の回転数は、どれだけ回っても体感上は同じような回転数と感じます。

また新台入替をしたときにスタート回数を下げた2日目のほうがアウト玉数が高かった、ということがありますが、これは入替初日のスタート回数が高すぎたことにより初日は次のようなことが起こったと考えられます。

・スタート回数を上げすぎたことでゲーム性を損ない、退屈感が出ること
・スタート回数を大幅に上げたことでオーバーフローとなり、止め打ちをするようになり結果的にアウトを下げてしまうこと

スタート回数がある一定以上になるとオーバーフローとなり、止め打ちとなるので「アウト100個あたり」の回転数は上がりますが「単位時間あたり」のスタート回数は上がりません。そうなると保留玉が多くなり、リーチ出現率が極端に低下して演出が面白くなくなるので、オーバーフローはパチンコ店にとっても遊技客にとってもあまりメリットがないといえます。

スタート回数は遊技客の満足度を測るための指標のひとつではありますが、「スタート回数は高いほどよい」という考え方は間違いです。このような現象をなくすためには、

・スタート回数以外の満足感
・適正なスタート回数とその他数値の把握

が必要です。高スタート回数に固執せず、「変更可能項目」であるBAやT1Yとのバランスを適正にするのです。前記の①と②を比較すると、「(体感上の)回転数にはさほど違いがないが、②のほうが出玉が多い」となります。

ホールコンピュータのデータだけを見ていては把握できない事象もあります。「遊技客目線」を常に意識して数値の管理をしてください。

【今回のポイント】
・体感的なスタートを重視する
・スタートは高すぎるとゲーム性を損なうことがある

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