いま改めて「客滞率の意味」を考える。何を示しているか。

客滞率が示す未来

 

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。
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■ 稼働が伸びない、伸びてこない


 
営業自粛期間が明けて約3か月となりました。
5月後半当初は街が、社会が「これから」を志向して徐々に活気を取り戻しているという雰囲気がありましたが、7月後半あたりからのコロナ陽性者の急激な増加と共に、特に飲食を中心としたBtoC業種で停滞感が出ています。
 
そしてパチンコ業界も例外ではなくかなり厳しい状況です。
 
<参考>
(株)SUNTAC社「TRYSEM」アウト比較データ
       4円  1円 20円  5円
2019年7月 9,600 16,750 6,450 7,280
2020年7月 7,150 12,730 5,290 6,180
 前年比  74.5% 76.0% 82.0% 84.9%
 

 
この原稿執筆は8/17(月)でお盆明け直後です。
コロナ禍となって2回目の大型連休、前回のゴールデンウィークは営業自粛等もありましたが今回はそういった“枷”はないです。それでも各種業界統計データを見ると非常に厳しい結果でした。
 
さてこの厳しいアウトの状況、果たしてコロナ禍という言葉で片づけてよいものでしょうか。
 

■ 客滞率が以前よりもかなり下がっている


 
私は機種の特性に注目してみました。具体的には「客滞率」です。
客滞率とは「現金投資を1.0とした時に、その何倍が吸い込まれたか」を示す指標で、広い意味で言えば「現金遊技時間の何倍の通常遊技時間があったか」となります。
※吸い込まれるときは必ず通常時である。これは現金遊技と持ち玉遊技の2つがある。
 
例えば下図のような遊技状況があったとすると、現金投資4,200個に対して吸い込まれたのは6,720個(現金4,200個+持玉2,520個)なので、客滞率は現金投資の1.6倍、つまり160%と計算できます。
 

 
客滞率は持玉遊技時間が長くなるほど大きな数字になるので、逆説的に言えば「客滞率が高いということは継続遊技を選択する客が多いということなので、長く遊びたい気持ちが高いということである」と言えます。
 
さて今回の本題。
ここ最近、アウトがイマイチ伸びていないことの要因の一つに客滞率が関係しているのではないか、ということです。
 
例えばまだCR機全盛だったころの同時期(2018年7月~8月)あたりに人気だった機種とその客滞率を確認してみます。参考にするのは(株)SUNTACのTRYSEMです。
 
CRビッグドリーム(ミドル) 148.3%
CR真北斗無双(ミドル) 131.9%
CR金の花満開(ライト) 156.1%
CRAデジハネダンバイン(ライト) 146.0%
 
概ねミドルで140%~160%、甘デジで150%~という感じだと思います。
 
客滞率は「次も頑張る、もうちょっとやってみよう」という気持ちが高ければ伸びるので機種スペックの影響を大きく受けます。その意味でCR真北斗無双などは低くなるのは当然ですね。
 
さて直近の客滞率を見てみます。(TRYSEM、2020年8月データより)
 
CR真北斗無双(ミドル) 130.5%
P大工の源さん超韋駄天(ミドル) 135.5%
P必殺仕置人ターボ(ライト) 140.8%
PAバイオハザード2(ライト)142.9%
 
直近の客滞率はミドルで130%前後、甘デジで140%前後となっています。
 

■ 客滞率の低下は外部環境が要因ではない


 
このように客滞率が違う、正確に言えば下がっているのは近年のスペックの変化によると思われます。
 
客滞率は概ねTS(≒特賞確率)によって変化します。
ここで「ミドル」「甘デジ」という区分で考えるならばそのTSが同じなら同じくらいの客滞率になるはずですが、2年前に比べて軒並み下がっています。
 
ここでCR真北斗無双に注目です。CR真北斗無双は2年前も今も客滞率がほぼ変わりません。これは機種が同じなのである意味当然ですが、逆に言えば「外部環境、つまりコロナ禍だろうと客滞率は影響を受けない」ことを示していると思います。
 
「コロナ禍で客が遊ぶ意欲を失っているから客滞率が伸びない」という意見は当てはまらず、客滞率はその機種の特性(スペック)に影響を受けるということが分かります。
 
では、2年前と今ではどのように変わっているのでしょうか。
 

■ 突破型、入り口の狭いタイプの増加


 
結論から言うとそのゲーム性に突破型、入り口の狭いタイプが増えたことによります。「出だしたら大量に出る」スペックの機種が増えたことです。このようなスペックだと「確変、大量出玉」になるまではかなりの投資を強いられます。
 
そして、甘デジ、ミドル、ライトミドルに関係なくこのようなスペックの機種が市場に多く設置されている現状があります。
 
私の主宰するオンラインサロン「パチ盛り」でもこのことが議論になり、メンバーの一人が言った言葉、「今の機種は、単発大当たりは全部ベース!スロットでいうレギュラーボーナス!」というのは的を射ていると思います。
 
これは甘デジ、ミドル、ライトミドルなどTS(≒初当たり確率)が違っても同じ傾向です。代表的なところでは、
・P大工の源さん超韋駄天 (ミドル)
・Pシンフォギア2 (ライトミドル)
・P仕置人ターボ (ライト)
といったところでしょう。
 
上記に加えCR真北斗無双もこのようなゲーム性に近いです。だからこそCR真北斗無双は2年前も今も客滞率に変化がない、と言えます。
 

■ 流行に振り回されない遊技機の選択をすべき


 
現状で上に上げた4機種はどれも市場人気が高い機種です。しかしそれは例えば出玉量、例えばスピード感などが「他に比べて」相対的にいい、評価されているということであり、しかしながら客滞率という指標が(過去の機種よりも)低いこともまた事実です。
 
客滞率とは「現金遊技時間の何倍の通常遊技時間があったか」を示す指標であり、大当たり終了後に「もっと遊びたい」という気持ちが大きいほど客滞率という数字は大きくなります。
 
いま、客滞率が全体的に過去の機種よりも下がっている、当代随一の人気を誇る機種であっても下がっているという事実は今後に不安があります。
 
もちろん過去には客滞率が低かろうが人気機種、というものはありました。CR牙狼やCR花の慶次などのいわゆるMAX機種です。その意味で決して客滞率だけで推し量れないという意見があるかもしれません。
 
しかし今がその当時と違うのは、「全体が、総じて低い」ということです。大当たりまでが遠い、出る気が持ちづらいと感じる機種ばかりとなっている現状、遊技客の「逃げ場」となる機種がないのです。
 
今後の稼働回復、向上を考えるにあたり、客滞率が伸びそうな機種(スペック)の選択、選定も一つのカギになると思います。
 

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冒頭で使用した業界標準データは㈱SUNTAC社の提供するTRYSEMです。

TRYSEM
自店にこない遊技客を間接的に把握するために必要な市場統計。
しかし、母集団が偏りの大きい統計データでは、その意味が薄れます。
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(TRYSEM ウェブサイトより https://www.suntac.jp/for-corporation/trysem/

 
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