毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
TYという数値があります。もちろんこれはその機種(台)の獲得玉数を示しており、その計算上「平均で考える」という部分で現在の機種スペックでは指標的になじまない、誤った解釈が起こる可能性があります。
→ 大当たりラウンドが複数あるから
この「平均という指標の誤り」はTYに限らず、計数管理の様々な部分で起こり得ます。
例えばスタート値についてです。バラエティは別としてもある程度まとまった台数を抱える機種(海やリゼロなど)では、会話の中で往々にして「今日のスタート回転数は~」という表現を用います。まさに「平均値」です。もちろんこの場合の平均値は、スタート回転数の合計を台数で割ったような単純平均ではなく稼働を考慮した加重平均で計算されてはいますが、それがそのまま、その遊技機全体の回転数というわけではないです。
7台設置の機種があり、データが以下のようであったとします。
スタート4.90 通常時アウト2,000
スタート5.10 通常時アウト4,000
スタート5.10 通常時アウト4,000
スタート5.10 通常時アウト4,000
スタート5.20 通常時アウト5,000
スタート5.30 通常時アウト7,000
スタート5.40 通常時アウト8,000
この時のスタートは加重平均計算で約5.21回としてデータに表示されます(単純平均の5.16回ではないことに注意)。
しかし中央値(7台中の4番目の数値)は5.10回、最頻値(最も多く出現している数値)も5.10回であり、ほとんどの台ではその平均以下の回転数で遊技していることになります。
このようにデータを見るときは中央値と最頻値も見てほしいと思います。
また、ある台が突出して高いスタート(例えば平均5.20回、一台だけが5.80回など)となっている場合、当然ながらその高いスタートの台で大きく出ることになります。そうなると大多数のお客様は満足できないのにデータ上はそれなりの放出をしたという結果になります。これではいくら放出しているといってもお客様には伝わりません。データは平均で考えるのではなく、必ず個別で(台別で)見てほしいと思います。
「計数管理」ではその指標のほとんどを平均値で考えます。これまでの機種スペックならばその考え方でも対応は可能でしたが、これからの時代に業績向上を目指すのであれば、より細かく、さらに別の見方での指標の読み取りをすることが求められます。
ホールコンピュータで得られるデータをさらに自分独自に加工できるくらいの知識をつけてほしいと思います。