毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
今週のコンサルティングの現場より、そのタイトルをご覧になりましたか?「店を見るな、人を見ろ!」です。
これは私がパチンコ店から㈱エンタテインメントビジネス総合研究所に転職してコンサルタントになったときに上司に教わった言葉です。
「お店の稼働や数字という結果を見るよりも、それを作り出したヒトを見るほうが重要である」、結果としてのお店の状態はそもそもそこにいる人たちが作り上げたものであり、ヒト自体が変わらないと結果は何も変えられないという意味です。
「他店視察をしてわかるのは外部、目に見えることだけ。それを作り出した本質を見極めよ」ということです
。
あるお店のお話です。いわゆる低稼働店舗であり、その理由はいくつかあります。
・利益重視の営業をしていること
・入替は中古のみであること
・設備が古いこと
・立地が良くないこと
・その他いろいろ・・・
問題点を挙げればキリがありません。
こうした問題点の解決にはやはり資金的なことも必要になるのですが会社からはそういったバックアップは得られない状況です。
そのため店長は自身の置かれた状況、会社のバックアップ体制、待遇面など問題、障害となっていることを主任ら部下と話していました。
店長としてみれば「現状の問題点を把握して指摘している」という考えかもしれません。
しかしこういった話はえてして会社批判になりがちです。
またこれは「過去志向」です(2022.12.7 Vol.35「問題?課題?」も読んでみてください)。
このような会社に対する不平不満を聞かされる部下はどういう気分になるか、考えられないものでしょうか。
もちろん、そんなお店で働くスタッフはモチベーションが上がるはずがなく、お店の雰囲気もよくありません。
確かに置かれた状況は厳しいものがあります。
それでも「できないこと」ばかりに目を向けて「できること」に目を向けないのでは何も変わりませんし、何も変えられません。
現状への不満ばかりで前へ進もうとしないそういった姿勢が、お店の雰囲気をよくないものにしてしまいます。
結局のところ、今のお店を作り出したのは自分たちである、もっと言えばそのお店のトップである店長が作り出しているのです。だからこそ、私はお店ではなく「ヒト」を見ます。
この話は支援先での話だけにとどまりません。
例えば店舗視察でも同じです。
繁盛店、不振店といろいろ見ますが、そこで見るべきはやはり「ヒト」です。笑顔があるか、キビキビしているか、行動が素早いか、などなど。総じて繁盛店はこれらが備わっており、逆に不振店は備わっていないことが多いものです。
「繁盛店は忙しいからモチベーションが上がるだろうし、不振店は稼働が低いからダラけて見えるのではないか」
そういう意見もあるでしょう。
しかし私の見方は違います。「モチベーションを上げていくことができるから、繁盛店になっていった」、「モチベーションが上げられないから、雰囲気を悪くして稼働が落ちていった」と捉えます。
今は遊技機、設備、調整などのハード面ではほとんど差がない時代です。だからこそ、そのハードを生かすためのソフト面=ヒトの差が大きく出ると考えています。
「できない理由は必要ない。どうすればできるか、を考えろ。」
できない理由をいくら挙げたところで何が変わるのでしょうか。それに気づいた人は、「まずはできること」を考えます。
そしてその姿勢が周囲に広がり、お店の雰囲気を変えていきます。
数字はすぐには上がりませんが、お店の雰囲気はすぐに変わりますし、変えられます。
現状を変えるにはまず自分の気持ちと姿勢から!それは必ず周囲に伝播します。
変えられることから変えていきましょう!
(了)
■ 利益と稼働を両立する考え方
-稼働を上げるには、出さなければいけない
-利益を上げるには、シメなけれないけない
この思考は間違っています。
アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社では一貫して「利益を増やせば、稼働は伸びる」とお伝えしています。
なぜそう言えるのか?
その答えはこちらをご覧ください。
⇒ https://www.ab-c.jpn.com/8655