毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
GWが終わり今は7月。月日の流れるスピードは速くあっという間に半月後にはお盆営業が始まります。
GWとともにお盆営業は「年に3回の特別な期間」として絶対に利益の確保が求められているという認識を持つ方は多いと思いますが、その前提としては集客がなければなりません。一昔前はある程度長い期間の休日であればしっかりと稼働も上昇するので、高利益率の営業でも出玉感、活気は十分ありました。
しかし現在は違います。特別期間と言っても稼働がそれほど上昇するとは限らず、逆に利益確保営業の影響からその後の稼働が激減して、結局はその後の営業に深刻なダメージを与えてしまうこともあります。
こうなると、今までの営業スタイル=「特別期間は利益確保に徹する」という考え自体を修正する必要があります。
集客が昔ほど期待できない現在、改めて考えてほしいのは、
・そもそも、特別期間とはどういう期間か
ということです。
この期間は「休日が続くという外部要因」により通常の週末のような来店客数が連続して見込まれる期間です。これによりこの期間を、これまでは「週末営業が続くので利益確保に適している」と捉えていました。もちろん長期間高利益率の営業を続けるとその後は反動で稼働が落ち込むものですが、その対策としては特別期間後に大型の新台入替を行うことで対応していました。
しかし昨今は入替自体の集客力、また遊技機自体の魅力も低下しているので、当然これまでのような「落ち込みの対策」としては機能しづらくなっています。だからこそ、この期間で利益確保を徹底することは少々危険なことという認識が必要になっていると感じます。
上記「この期間とはどういう期間か」という問いの答えとしては、
・自店アピールの機会
とすべきです。決して「利益確保週間」ではなく。期間中は昔ほどではないにしろある程度客数は増えます。もちろんこれは競合店も同様であり、つまり「総遊技客数が増える」週間となっています。
ただし間違えないでほしいのは「パチンコ人口が増える」ということではない点です。通常営業中、分散して来店していたお客様がまとまった時間(時期)に集中しているだけでそもそもの遊技人口は変わりません。新しい客層が増えるわけではないということです。つまり、
・今まで週1回程度、月2~3回程度だった人が、連続して来店して(または比較的長時間遊技して)いただける
という期間で、いわゆる「ライト層」が来店する「機会」です。
ヘビーユーザーから利益を確保しても「また取り返そう、お盆明けの入替で出すだろう」と来店動機の一つになるかもしれませんが、このようなライト層から利益確保をしてしまっては、金銭的な理由もありのちにまた来店しようなどという気持ちが起こるはずもありません。
いま、すべきことは「将来のための種まき」として、いわゆるライト層の来店頻度を上げる、客滞時間を伸ばす施策です。「年に3回の特別な期間」という常識はもはや通用しなくなっています。
今年のお盆営業からは考え方を変えて、「利益の機会ではなく、客数アップの機会。それも今後のロングテールとさせるための機会」としてほしいと思います。