事実を基に、前向きに思考する

■ 事実を基に、前向きに思考する

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。


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カテゴリ:仕事への取り組み方

会議でのネガティブ発言は何も生まない



店長の仕事のひとつとして、自店、他店および商圏内などを分析することがあります。様々なデータを基に分析をするのですが、重要なことは「事実を基に、前向きに考える」ことです。
 
今回は「人数調査(頭取り)の活用」を例に、「事実を基に思考すべきこと」について考えてみます。
 
あるお店のお話です。今回の定例会議の議題は「人数調査からみえること」でした。最近の調査では客数1位の店舗とはだいたい30人程度の差で、自店は現在2番手につけています。この店舗では人数調査を客数の確認だけで終わることなく活用しようとしていました。
 
「現在自店と1番手との差は約30人。なぜこうなってしまっているのか。その差の理由を考えよう。」
 
議長がこのように切り出して会議は始まり、店長以下出席者からは次のような意見が出ました。
 
・機種構成が負けているからではないだろうか。
・利益率が高いからではないだろうか。
・入替の規模や回数で負けているからではないだろうか。
・立地がよくないからではないだろうか。
・設備の使い勝手がよくないからではないだろうか。
 
これらの意見は「事実を基に分析をしている」ようにみえます。しかし、よく考えてみるとこれらの意見は全てネガティブな(後ろ向きな)ものばかりです。

 

■ 前向きな意見が出るようにリードする



これは、実はそもそもの議長の発言が間違った提案でした。
「結果の確認に終わることなく、理由を考える」
というのは一見、前向きな提案に聞こえます。しかし実はこの問いかけの返答は劣っている理由を挙げることしかできないです。
 
「問題」と「課題」という二つの似た言葉があります。辞書を引くと、
 
・問題 : 困った事柄。厄介な事件。「新たな-が起きる」。
・課題 : 解決しなければならない問題。果たすべき仕事。「緊急の-」。

 
となっています。問題点として捉えた場合は、文章の末尾が「~がダメだ」という言い方で過去からこれまでの結果を挙げることになり、課題点と捉えると「~すべきだ」という言い方で、これから未来に必要なことを挙げることになります。
 
議長の問いかけは「問題点」を挙げさせるものであり、これは「いままでの積み重ねでこうなっている」という「結果」を考える質問です。
 
これでは前向きな、未来志向の考えが生まれてこないことでしょう。今回の会議では、議長は次のように発言するべきでした。
 
「現在自店と1番手との差は約30人、どうすればその差が解消できそうかを考えよう」
 
このような質問であれば、出席者の意見は次のようなものになっていたと思われます。
 
・機種構成を考え直すべきではないだろうか。
・利益率をもっと下げるべきではないだろうか。
・入替の規模を大きく、回数をもっと増やすべきではないだろうか。
・立地のマイナスを埋めるべく広告宣伝を強化すべきではないだろうか。
・設備面を見直して使い勝手のよいものにすべきではないだろうか。
 
これらの意見は元々の意見と同じ事を言っているように感じるもしれませんが、明確に「未来」を見ている前向きな点が違います。会議の場は建設的な議論をすべき場であり、また場をリードする方はその方向に会議を導いていかなければなりません。
 
今回は人数調査を例に考えてみましたが、全ての場で「前向きに」考えるようにしてください。これまで見てきたように問題点と課題点は表裏一体で、捉え方次第で前を向くか(未来を見るか)、後ろを振り返るか(事実の確認で終わるか)と分かれます。
 
議論すべき、追求すべきことは「原因」ではなく「解決方法」です。事実を基に思考すべきは、未来なのです。

 
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