イベントを今すぐ、やめろ!

イベント に効果はない
 イベント
過去には短期的な視点では業績を上げるにはスロットに力を入れる、もっと言えば高設定をにおわすイベントやライター招致など半ば「飛び道具」的なことで一時的に稼働を伸ばすことは可能だった。

もちろんこれは短期的、しかも超短期的なことなので長続きはしない。
だから矢継ぎ早にどんどんとイベント(やそれに近いこと)を繰り返すことになった。

イベント開催にはもちろん功罪両方あると思う。
しかし今回はこのうち「罪」に焦点を当てたコラムを書かせていただく。

■ イベント の効果

イベントの罪
ここ数年、どのお店もスロットに力を入れてきた傾向がある。理由はだいたい以下のとおり。

・パチンコに力を入れても反応が薄い
・パチンコのお客様はなかなか動かない
・スロットは若者が多く、新機種に反応しやすい
・スロットのお客様は腰が軽く取り込みやすい

つまりパチンコとスロットは反応が真逆であり、且つスロットのほうが施策に対して即効性があると考えられたからである。

そしてスロットを伸ばそうと考えた場合、これまた即効性があるのが「イベント」というヤツである。

イベントをする目的は稼働、客数の向上である。(イベントに限らずすべての施策の目的はこれになるが。また、もうちょっと言えば真の目的は利益の向上だ。)

ということでイベントをすることでこれまで自店に来ていなかった新規客を呼び込み、自店の水(雰囲気、空気感)に慣れてもらい、次回以降の来店につなげたいと考えているはずである。

簡単にグラフ化するとこのような稼働の向上曲線を目指しているだろう。

伸びるはずのグラフ

グラフの山の部分がイベント。
イベント時に急激に伸びて直後は落ちるが前週までのレベルまでは落ちない。少しは残ると考える。そして勢いがしぼむ前(またしぼみつつあるとき)にイベントを行いプラスアルファの集客を図る。

この繰り返しで徐々に伸ばしていくことを志向している。

■ 中小ホールでは イベント に効果は、ない!

中小ホールに効果はない
私は1995年にパチンコ業界に入ったのだが、実は当時から「イベント」というものは存在した。と言っても内容は「メンズデー」、「レディースデー」、「会員デー」等の、言ってみれば「自店顧客への還元、今いるお客様へのちょっとしたお得感の提供」が主目的だった。(もちろん一部に新規客を狙ったイベントもあったが、まだまだ少数派)

イベントというものの位置づけが大きく変わったのは2000年をちょっと過ぎたあたりだと記憶している。「○のつく日」や「衝撃○○」、「全力○○」など目を引く大きなタイトルをつけて明確に「出す」ことを謳うようになる。

こうなると「出すの?ちょっと行ってみようかな?」ということで新規客の獲得につながり、上記グラフのような効果が表れるようになる。

当時は今ほどではないにしろ新機種、新台入替に魅力が感じられない時代でもあり、「出す、出る」ということに主眼を置いたこの「イベント」は大きな成功を収めることになる。そして全国どのホールも「ウチも、ウチも!」とばかりにイベント合戦となっていくのであった。

その後の展開はご存じの通りだ。

イベントは形がい化し、出すことができないホールは「あそこはガセだ」と認識されて敬遠され、イベントをしても稼働、客数が伸びることはなく、「イベントに力を入れる」とばかりにその財源を平日の常連さんから確保するようになり平日の稼働が落ち、イベント日は伸びると言ってもそれはその直前の平日よりは伸びるだけで結局彼らは翌日以降に来店することはなく稼働は伸びない。「イベントにもっと力を入れなきゃ!」としてさらにイベント日に特化した放出をかけることで平日が割を食い、「以下、悪循環」であっという間にガラガラホールの出来上がり!となる。

こんな具合のグラフが描かれることになったのである。

伸びないグラフ

イベント日はある程度伸びる。しかし平日はどんどん落ちていく。そのうちにイベント日さえも伸びが鈍くなり、このグラフには描いていないが最終的にはイベントをしようがしまいが全く変わらずとなる。(イベント日でさえも平常営業と何ら変わらない稼働、客数。)

それでもイベントは行わざるを得ず、出すことは出来ないもしくは出しても客数が少ないので出玉感皆無、よって(お客様の認識では)ガセ化確定。イベントの信頼を失うわ、平日も抜き過ぎて常連さんも離れてしまうわ、どうすることもできなくなる。

■ 悪循環を断ち切れ!

悪循環
さてさて。
このような変遷を辿って今非常に苦しんでいるホールはとても多いことだろう。

ではどうすればいいのだろうか?

たとえば医師は患者さんが来院するとヒアリング、問診、場合によっては検査をして処方箋を出す。この場合、処方箋というのが対処法でヒアリングや検査はその対処法を決めるための行動だ。今回の患者さんの不具合の原因となったことを特定するために様々なデータを用意して思考し、結論を出す。決して患者さんが来たからといって何も分析せずに「ハイ、コレね!」と薬を出すことはない。

仕事も同じだろう。

今こうなっている症状、その原因をまずは特定し、その原因を取り除く処方箋を用意しなければならない。原因に対応しない薬を使っても決して今の症状は治らない、収まらない。

では今回の「低稼働に苦しんでいる」状況の原因を探ろうではないか。

もちろん仮説はすぐに浮かぶ。第一には「出さない、出ない(と思われている)こと」となるはずだ。

では出せば解決するのだろうか?
実はそうではないかもしれない。出し方かもしれないし見せ方かもしれない。そもそも(割数、利益率的には)出しているのに低稼働で苦しんでいるホールだってあるだろう。

つまり短絡的に結論を出してはいけないのである。

ここで「Why×5」という思考法を活用する。

「Why×5」、これは「なぜなぜ分析」呼ばれる思考法で、トヨタ自動車カイゼン思考の元となるモノだ。

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なぜなぜ分析(なぜなぜぶんせき)とは、ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段である。トヨタ生産方式を構成する代表的な手段の一つである。
Wikipedia「なぜなぜ分析」

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① 問題となる事象を提示する。このとき、次に提示する『なぜ』との論理的なつながりを明確にするため、問題点を絞っておくことが望ましい。

② 次に、その事象が発生するに至った要因を提示する。これが1回目の『なぜ』である。要因はひとつだけとは限らない。また、事象に対して、論理的なつながりがなければならない。

③ 次に、各要因ごとに、それが発生するに至った要因を提示する。これが2回目の『なぜ』である。1回目と同様、ひとつだけとは限らず、また、論理的なつながりがなければならない。

④ 同様にして、3回目の『なぜ』の提示、4回目の『なぜ』の提示…を繰り返していく。

なお必ずしも5回必要というわけではないこともお伝えしておく。

では戻ろう。
一義的な現在低稼働で苦しんでいるという現状の原因は「出ない(と思われている)こと」としよう。
これは「なぜ」そうなったのか?
「出さないから」となる。

では「なぜ」出さない(出せない)」のだろうか。
これは「イベントで放出をしなければいけなかったから」、「粗利目標があるから」となる。

では「なぜ放出をしなければいけないのか」。
これは「イベントを行うから」であろう。

なぜイベントを行わないといけないのか?
新規客を取り込む必要があるから。

なぜ新規客を取り込む必要があるのか?
既存客が減少しているからだろう。

なぜ既存客が減少しているのか?
常連さんが来店する日に利益を確保してしまっているから。

なぜ平日に取らないといけないのか?
イベントで放出しなければいけないから。

なぜイベント日に放出するのか?
新規客に期待感をもってもらい、次回来店につなげたいから。

なぜ次回来店につなげる必要があるのか?
既存客の減少の穴埋めをするため。

なぜ穴埋めをしないといけないのか?
既存客が減少しているから。

なおこの問答は往々にしてループする。いつこの繰り返しを止めれば良いのかというのは難しい。

現実的には「提示した対策によって対象となる要因を取り除くことが、最初に提示した問題の解消へとつながることを論理的に説明できる段階」が一つの目安となるとされる。

ということで上記ループでの最初に提示した問題の解消へつながる「処方箋」は以下のようなことが浮かぶのではないだろうか。

・出すこと
・常連客向けに出すこと

このためにはイベントを「止める」という選択肢が浮かぶ。ただ止めるのではなくその放出予定分を常連さん=平日に回し、新規客を求めないで既存客の回帰を図るという選択肢である。

まとめると、
・イベントを廃止し平常営業を重視する。新規客を狙わずに既存客をターゲット設置とする。
という戦略の方向性が導かれるはずだ。

■ 慌てる乞食は貰いが少ない

デメリット
過去には短期的な視点では業績を上げるにはスロットに力を入れる、もっと言えば高設定をにおわすイベントやライター招致など半ば「飛び道具」的なことで一時的に稼働を伸ばすことは可能だった。

もちろんこれは短期的、しかも超短期的なことなので長続きはしない。
だから矢継ぎ早にどんどんとイベント(やそれに近いこと)を繰り返すことになった。

イベントは麻薬に近いものがある。
最初はとても刺激的、でもどんどん慣れが出てしまう。

それはお店もお客様も。

お店は回数を重ねるごとにルーティンワーク化してしまい、こなすだけになってしまう。
お客様も回数を重ねるごとに勝ち体験が減少してくことで期待感が薄れていく。

それでもお店はやらざるを得ない。
なぜなら「怖いから」。

「イベントをやってこのレベルなのだから、やらなかったら大変なことになる。」

こう考える。
そして今日も「こなすだけ」のイベントが始まる。

「今現在がおかしいならこれまでのやり方に問題があった」と言えるはずだ。イベントをしても伸びない、低稼働に苦しんでいるというのはこれまでの施策で作り上げられた状況だと断言できる。

だからこそ、今すぐに発想を転換してほしい。

「そんなこことはわかっているけど、即効性がないからできなかった」

そういう言葉があがるかもしれない。

しかしその言葉の裏には「効果があると思うが、時間がかかるからできない」という思いがあるのではないか。「効果がある」と思っているではないか。

知っていても動かなかったら何も得られない。

「平常営業の強化に取り組んでも効果が出るには時間がかかる」とわかっているなら、今すぐに始めないと間に合わない。

私の支援先でもほとんどがこの事実に目を向けて、今、イベントに頼らずに平常営業の強化に取り組んで実績を出している。

今回のコラム内容に共感、わかると思っていただけたとしたら、すぐに動いてほしい。取り組みが遅くなればなるほど、「その時」に間に合う可能性が少なくなる。

■ 利益と稼働を両立する考え方

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