毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
前回はプラスの誤差玉についてお伝えしました。
プラスの誤差玉は通常の営業では必ず発生する現象であり、適正範囲内であれば問題はないと言えます。
しかし大きすぎるプラス誤差はメンテナンス判断の誤りの原因になったり、遊技客の不信感の元になったりすることがあるので、できるだけ速やかに原因を特定して対処しなければなりません。
そして前回はこのプラス誤差発生時に見るべきポイントと対処についてお伝えしました。
今回はマイナスの誤差について確認していきます。
まず認識しなくてはいけないことは、
・マイナスの誤差玉は、絶対に異常な状態である
ということです。
通常の営業では必ずプラスの誤差になるわけですから、マイナスの誤差が発生したら異常事態だと捉えて必ず原因の追究と対処をしなくてはいけないです。
では「マイナスの誤差が出る」とはどういう状況なのかを確認します。
誤差玉=(売上玉+セーフ)-(アウト+景品玉)
ですから、
・売上玉かセーフが(もしくは両方が)、実際よりも低く情報が上がっている
・アウトか景品玉が(もしくは両方が)、実際よりも高く情報が上がっている
となっていることが誤差玉の計算式から導かれます。
これら4つの情報が各々上記のような状態にあるとき、ホールコンピュータのデータがどのような異常数値を出すことになるかというと、
① 売上玉の情報が低い → 売上が低い、玉単価が低いなど、「売上」に関係する数値が軒並み低くなる。
② セーフの情報が低い → TYやT1Yが低い、ベースが低いなど「払い出し」に関係する数値が軒並み低くなる。
③ アウトの情報が高い → スタートやベースが低い、稼働が低いなど「アウトを基に計算する数値」が軒並み低くなる。
となり、上記3つに原因があれば、遊技機から上がる情報なので必ず計数データに異常が現れます。
しかし景品玉がデータ上あるべき数値よりも高い場合は、景品玉情報は遊技機からの情報ではないでのホールコンピュータデータに異常数値は現れません。
つまり、仮にマイナスの誤差玉が発生した場合には、
・遊技機データに異常あり → 配線の不備(故障等)
・遊技機データに異常なし → JCの故障or不正
と考えることになります。
なお、マイナスの誤差の発生状況により機器の故障なのか不正なのかをある程度識別できます。継続的に発生する傾向がある場合は機器の故障の疑い、単発的に発生する傾向の場合は不正の疑いが強い、と考えてください。
もしもデータチェックや遊技機の目視点検で異常が確認できない場合、不正の線が強く疑われる事態となります。不正が放置されてしまうとお店の信頼も失いかねません。
マイナス誤差が発生したら絶対に放置してはいけないのです。