ラッキートリガーがイマイチ浸透していない気がするのだが

2024年3月4日、業界の期待を一身に背負って(?)市場に投入されたラッキートリガー搭載機種。市場投入から3週間目となる現在、機種ごとの差はあるが総じて稼働は好調といえる。(ここ何年かの一部機種を除いた大多数の新台の、4週間での稼働低下よりは低下が踏みとどまっているという意味で。)

さて遅ればせながらそのラッキートリガー機種の導入経過の印象についてお伝えしようと思う。

機種スペックなどの検証コラムはこちら。

■ そもそも「ラッキートリガー」は浸透しているのか

3/21のコラムでは「販売予定タイトル数からもラッキートリガー搭載機種へのメーカーの期待がみられる」としていた。実際、過去これまでに新スペック登場のタイミングではその初期の市場投入タイトル数はそれほど多くない。

〇 設定付きパチンコ(2018年8月~)
・導入初週は3機種(ヴァルヴレイヴ、カイジ、H.O.D)
・9月までにその他4機種で、導入開始から1か月経過で7機種

〇 遊タイム搭載パチンコ((2020年4月~)
・導入初週は1機種(真花月2)
・導入開始から1か月で6機種

〇 スマートパチンコ(2023年4月~)
・導入初週は1機種(聖闘士星矢)、4月中に合計3機種
・約1年の現在でもスマパチは16機種にとどまる。

しかし今回のラッキートリガー搭載機種は初週で7機種、そしてこれからの1か月でさらに7機種の予定となっているのはやはり多い。

ところが、である。以下の表を見ていただきたい。

こちらはラッキートリガー機種のスペック考察で使用した表だが、その右端にある設置台数、明らかに導入されている店舗あたり台数は少ない。

もちろん過去よりはそもそもホールの1機種あたりの購入台数が減少していることはある。

それでも「期待している」ならば勝負とみて多めの台数の発注があってもいいし、またメーカーも強気の販売をしてもよいはずだ。

しかしそうはなっていない。メーカー側も「期待はしているが、強くは勧めない」というところだろう。

参考までに2023年4月に導入が開始されたスマパチの初週平均台数を調べてみると、
・e聖闘士星矢       3.0台(4/3~)
・eルパン三世       2.6台(4/17~)
・eぱちんこ必殺仕置人   6.5台(4/24~)
と、e聖闘士星矢やeルパン三世はP機でも発売しているバージョン機扱いであっても3台レベル、e必殺仕置人は強気の平均6.5台の導入だった。

こういったメーカーの姿勢と雰囲気はホール側も感じ取っていると思われる。どういうことかというと、それは導入したホールでのラッキータイム搭載機種の扱いについてである。

ほとんどのホールでラッキートリガー搭載機種の配置はバラエティであり、「おすすめ、注目」という扱いにはなっていない。こうもバラバラで配置されていては「パチンコで新しい性能を持った機種が登場!」と言われても遊技客には訴求が届かない。

またそもそも機種の特性についても、機種説明には「高RUSH突入契機は〇〇」という案内はあっても、「ラッキートリガーとは?」の説明がされていないものが多い。これでは遊技客は、その状態に突入したとしても何も感じず、終わってみれば「よく継続したな!」程度の感想しか持ちえないと思われる。

実際問題、ラッキートリガーという性能は「これまでよりも総量規制が緩められ、継続率とその状態での大当たり出玉を増やせる」ということであり、その差は体感上ではあまり感じられない。ホールコンピュータ上で爆発力を確認できたとしても、イチ遊技客としては80%だろうが84%だろうが、出玉が1,500個に偏ろうが「全部、ヒキ(ツキ)」で片づけられてしまう。(これまでのスペックの機種でも10連チャン以上や15,000発の出玉などは経験できた。)

例えば緋弾のアリアでは「超〇〇突入、167回!」とは表示されても「ラッキートリガー発動!」とは表示されない。

これでは遊技客にとってもラッキートリガーという性能、スペック、そしてそもそもの用語自体も浸透しないのではないかと思う。

■ 売りたいなら売れるように努力をすべき

今回の新性能「ラッキートリガー」、この性能はすごい。遊技機開発でもラッキートリガーを副次的なものにした機種もあればラッキートリガーでの大当たりをメインにした機種もあるなど幅が広くなっている。

しかしその訴求、ユーザーへの浸透の取り組みについては疑問がある。「売りたい(稼働をつけたい)」のであればもっとお客様に買っていただく(遊んでいただく)ように売る側(ホール側)がアピールしないといけないはずだ。

例えば下記は、ジャパネットたかたさんによるイワタニカセットコンロの新製品の訴求である。カセットコンロ自体はおそらくどの家庭にもあり、またそんなに購入頻度は高くないと思われるが、だからこそ「この商品の違い」をしっかりとアピールしている。

動画付きで訴求

訴求ポイントをわかりやすく

文字だけでなくパッと見で理解できる違い

カセットコンロはどの家庭にもある。だからこそ、このカセットコンロが顧客にどのようなベネフィットを提供するかを伝え、従来品との違いをしっかりとアピールしてその買い替え需要を喚起しようとしている。

「売ろう」とするならそれなりの行動をするのが当然、しかしラッキートリガーはその設置ホールに「売ろう(稼働をつけよう)」という行動が見えない。

これには3つの要因があると思われる。

(1) スペックの幅が広く、統一した表現がしづらい

P座頭市のように通常の遊技にプラスαでラッキートリガーに突入する機種もあれば、P緋弾のアリアのように実質的にラッキートリガーでの大当たりしか存在しない機種もあるので、「ラッキートリガーとは、こうである」という統一した訴求ができない。

遊タイム、設定付きパチンコ、スマパチなどはその概要がほぼ統一されているので、ポスターやイーゼル等でどういった性能なのかを訴求できた。

しかしラッキートリガーは突入契機もその内容もバラバラなので「ラッキートリガーとはこういうものである」と説明するのはかなり難しい。

結果的に積極的な販促行動につながらないことになる。

これは次の(2)のメーカー側の姿勢(訴求)にも表れている。

(2) そもそも機種自体がラッキートリガーという表現を使用していない

ラッキートリガーの内容は機種ごとにバラバラだ。そのためスペックの説明を個々の機種に任せることになり、ホール演出上は「ラッキートリガー機種」というPOPくらいしかできないことになる。

では個々の機種がどのような訴求をしているかというと液晶演出で「ラッキートリガー発動」と明示するのはP北斗LTくらいで、その他の機種は液晶演出にラッキートリガーの表示はなく遊技説明書にも「超〇〇」等の語句はあっても「この状態がラッキートリガー」という説明がないものばかりである。

例えばPLT OVERLOADではラッキートリガーを「オーバーMAX」と表現し、P緋弾のアリアでは「超ライトニングバレッドラッシュ」、P座頭市では「神速一閃」となっている。

ホールが積極的な販促をしづらいうえに、メーカー側も「自社のこの機種の特徴」を訴求しているので「ラッキートリガー」という用語も浸透しづらくなっている。

(3) 少台数のバラエティ導入が多く、まとまって設置がされていない

コラムの最初のほうでも書いているが一機種あたりの導入台数がかなり少ない。そのためバラエティコーナーへの設置になるので、なおさら機種単体の訴求ばかりとなり、コーナー全体での(多くの台数での)アピールはしづらいことになっている。

■ ラッキートリガーはこれから

パチンコにおいてはこれまで何度かの新しい試みがその後主流になることはなく廃れている。
→ 遊タイム、設定付きパチンコなど

そうなるとどうしても最初は様子見からとなり、それが導入台数に表れている。もちろんここ何年も一部の大型タイトル(版権)機種以外のパチンコ機は長持ちしなかったので、過度な期待を持ってはいけないと考えていたであろう。導入開始前のホール関係のラッキートリガーの見方は総じて厳しいものだった。

今回の導入開始からの稼働は総じて好調だ。遊技客のラッキートリガーの遊技感、印象は良いものなのだと思う。

だからこそ、もっといろいろな人にラッキートリガーを訴求して遊技してもらう努力が必要となる。

4月には新しく7機種の導入が始まる。すでに台数は決まっているはずなので今更増台導入は難しいと思うが、導入するホールは配置を再考し(できればラッキートリガーはまとめて配置)、機種ではなくラッキートリガーとしての販促、告知、訴求をするとよい。

「射幸性が高いことの是非」はいったん置いて、過去の歴史を見ても射幸性が高まると必ず人気が上昇することは事実だ。
→現金連チャン機、CR機、交換個数、確変突入率などなど

今回のラッキートリガーは総じて射幸性が高まった機種ばかりなのでゲーム性が整っている機種は長く使えると思われる。「大事に」使うと同時にここぞ!という機種は大量導入とそれに見合った装飾、販促を展開することでパチンコ部門の業績向上につながるだろう。

エヴァとReゼロに頼りきりになっていたこの3年間からここからはラッキートリガーが主役になる、そう感じられる導入から4週間の実績のラッキートリガー機種。

ラッキートリガーはこれからだ。

(了)

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