マーケティング塾(27):「適切なバリュープロポジションの構築」

 バリュープロポジション
「他社を圧倒する製品、サービスを提供する」も5回目、この章が最後となる。ここまでを振り返ってみよう。
1.製品、サービスのカテゴリーを分類する(1/13)
2.製品、サービスの設計およびチョイスマップ(1)(1/20)
3.チョイスマップ(2)(1/27)
4.チョイスボード(2/10)

この章の最終回は「他社を圧倒する製品(サービス)の設計」最後のピースである「適切なバリュープロポジションの構築」について考えることとする。

■ バリュープロポジション とは何のことか。

バリュープロポジション
「バリュープロポジション(価値の提案) とは、顧客に求められているが競合他社では提供できない、自社だけが提供できる価値のことを示すマーケティング用語。 バリュープロポジションは企業が一方的に考える価値ではなく、顧客のニーズを起点として価値を考える。」(Wikipediaより)

要は差別化の源泉であり、しかして従来の価値提供と違うのは「顧客のニーズを起点として」考える点にある。

さてこれまで学習したように、自社のコンピテンシー(優秀な結果を残す行動特性)と自社が持つ事業領域からは新しい事業コンセプトが生み出される。一方、顧客の意識と求めるベネフィットを基にすることでチョイスマップとチョイスボードが作成できる。バリュープロポジションとは、これら2つを統合することで企業と顧客の目指す方向性を一致させ(整合させ)、顧客に自社製品の購入を促すことである。

ここに新しいビジネスを発見したとしよう。新しいビジネスを生み出した企業は仮にバリュープロポジションが確立されていなくても、ライバルがいないわけであるから有利な状況で最良の事業パートナーや人材、そして顧客を手にできる可能性が高い。

しかし後発企業にも突破口がある。それが バリュープロポジション なのだ。すでに市場が出来上がり先行企業がネットワークやブランドを構築していたとしても、先行者の模倣ではなく自社のコンピテンシーと事業領域の見直しを行い、顧客の意識とベネフィットを理解しようと努めることで革新的な事業コンセプトと優れた製品設計が可能になる。(なお、この点をシュンペーター博士は『(インクリメンタル)イノベーション』とした。)

■ ブランドにメッセージ性を持たせる

メッセージ性を持たせる
マーケティングでは製品だけでなくそれを支えるアイデアにもブランドをつけるべきだ。適切なメッセージがその製品のブランド力を押し上げることになる。このメッセージがあることで、顧客の脳裏にその製品、サービスを強烈に印象付ける。

フィリップコトラーはその著書「新・マーケティング原論」の中で以下のような例を挙げている。
・サウスウェスト航空 「クルマで移動するより、安くてスピーディ」
・BOSE 「コンサートホールをしのぐ音響と音質」

また、このマーケティング塾でも何度か取り上げているアマゾンドットコムは、
・A→Z、すべてのモノを
・アマゾンのジャングルのように多種多様
というバリュープロポジションを実現している。ワンストップショッピング、それも自宅リビングでというのは革新的なバリュープロポジションであるが、それ以上に顧客に上記の2つにより強烈なメッセージを与えている。

顧客のベネフィットからの提案として、総合パッケージの提供というのもバリュープロポジションである。有名なところではマイクロソフトのOfficeが挙げられる。ワードプロセッサー、スプレッドシート、プレゼンテーションソフトのワンパッケージングは、その誰もが気にしていないが明確な顧客ベネフィットからのパッケージ化である。今パッケージングは3つのソフトを単体でそろえるよりも連動性に優れている。

従来の価格のままで製品をパワーアップさせるバリュープロポジションもある。レクサスは、
・品質はメルセデス、BMW、ジャガー
・価格はキャディラック、リンカーン
を目指している。

■ 手法は無限

手法は無限大
バリュープロポジション(価値提案)は幾多の視点、方法がある。
これまでの価値”提供”は「企業(自分たち)視点での良い製品、サービスの提供」だが、バリュープロポジションという概念は価値”提案”であり、そこには顧客の意見、ベネフィットという視点が加わっていることが新しい発想なのだ。

「他社を圧倒する」、そのためのこれからのマーケティングはすべてにおいて「顧客起点」と考えるようにしてほしい。

次回からは新しい章、「事業アーキテクチャ(構造)の設計」に入る。

 

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