マーケティング塾(23):「他社を圧倒する製品、サービスを創る(1)」

他社を圧倒する製品、サービスを創る
 
ここまではマーケティング4つの主体の内の3つ、すなわち顧客、自社、事業パートナーそれぞれの役割と活用の方法をお伝えしてきた。(4つ目の主体である「コミュニティ」はCtoCであり企業が関与できないため除外している。)

それぞれとの関係を構築し、また新しい関係を築くために企業統治をおこなうというものである。

企業統治による枠組みを創ったら、いよいよ次は顧客に提供する製品(サービス)の創造に移る。他者と同じではいけないし、劣っているなどもってのほか。それが顧客にとって価値のある自社提供の製品であり、それは競合他社を圧倒するものでなくてはならない。

本章では顧客の欲するベネフィットと顧客意識、自社の強みとなるコンピテンシーとそこから導き出される事業領域から、どのような製品(サービス)を市場に送り出すべきかを考える。

まずは製品(サービス)にはどのようなカテゴリーがあるかの分類を確認する。

次に、市場に切り込むための二つの基本戦略として、
①顧客ベネフィットを広げる「チョイス・マップ」
②顧客ベネフィットを深める「チョイス・ボード」
を説明する。

最後に自社の戦略についてより効果を高めるためにどのような価値提案を考案すればよいか、その方法を掘り下げることとする。

以上から本章の流れをまとめると、
1.製品(サービス)のカテゴリーを分類
2.製品(サービス)の設計
3.チョイス・マップの設計
4.チョイス・ボードの提供
5.価値提案の構築
で進むことになる。

それでは早速確認していこう。

■ 1.製品(サービス)のカテゴリーを分類する

カテゴリー分類
2021年現在、製品やサービスのバラエティは無限と言っていいほどその種類、範囲を広げている。ここでそれらの製品やサービスを以下の4つの切り口で分るしてみたいと思う。

・デジタルか、フィジカル(物理的)か
・無形か、有形か
・インテリジェントか、非インテリジェントか
・コンテンツか、コンテンツの提供手段か

デジタルか、フィジカル(物理的)か

デジタルとはすなわち情報を核とした製品やサービスを意味している。金融サービス、ニュース媒体、エンタメ、ソフトウェア配信サービスなどがこれにあたるが、情報でありその価値の大きさを測ることは難しく、創り出すことは容易ではない。しかしその反面、模倣は簡単だ。物理的なモノではないためアーキテクチャ(枠組み)さえあれば簡単に二番煎じは作れることになる。(※ここではあえて「作る」という漢字を当てている)

物理的な製品、サービスは世の中に溢れているので想像は容易だろう。

まず一つ目の分類の切り口は、「デジタルで提供するものか、物理的物体として提供するものか」である。いま、自社の提供しているモノはどちらだろうか。考えてみて欲しい。

無形か、有形か

製品やサービスはすべて、無形の行動と有形の手段によって提供されている。このことに気付いている人は果たしてどれくらいいるだろうか。これは「受け手(人、あるいはモノ)」に着目することで製品やサービスを次の4種類に分類できる。

① 人の頭脳を受け手とする(コンサルティングサービス、情報サービスなど)
② 人の身体を受け手とする(レストラン、交通機関など)
③ 有形資産を受け手とする(翌日配達便、自動車修理など)
④ 無形資産を受け手とする(保険、証券、銀行など)

一般に顧客は物理的な手段ではなく結果や経験に大きな関心を寄せる。そこで多くの企業は行動を差別化して理想的な顧客経験をもたらそうとしている。

インテリジェントか、非インテリジェントか

「インテリジェント」とは高い知能、聡明さのことを言う。これはいろいろなものに埋め込まれたICチップによってもたらされている。

例えば自動車。
当初の自動車は「早く、(身体的に)楽に」走ることを目的としていた。しかし現在は高度なインテリジェンス機能を搭載し、高度なエレクトロニクス製品となっている。その金銭的価値は販売価格を大きく超えている。

電子レンジ、ステレオ、スマートフォンなどどの製品も初期に比べてインテリジェンス化が大きく進展していることが分かるはずである。

これに対して非インテリジェントとは、製品そのものまたは部品の提供のことである。

果たして自社の提供している製品またはサービスは、インテリジェント製品なのか非インテリジェント製品なのかを考えてみて欲しい。

コンテンツか、コンテンツ提供手段か

すべての製品、サービスはコンテンツであるのか、コンテンツの提供手段であるのかのいずれかに分類される。

コンテンツとは例えば映画やビデオ、ソフトウェアなどを指す。
コンテンツ提供手段とは映画を映す映写機であったりプリンタであったり、ソフトウェアが書き込まれたDVD-ROMなどを指す。

コンテンツの提供手段は通常、それを使うコンテンツがあって初めてその意味を持つ。映画のDVD-ROM(またはフィルム)がなければ映写機は無料の長物であり、印刷対象がないプリンタはただの大きな箱である。何の役にも立たない。

コンテンツとコンテンツ提供手段、多くの企業はそのどちらかに特化した事業展開をしている。

しかし現在、その境界線は曖昧だ。相互参入はいたるところで見られている。

コンテンツ提供手段の製品も、それを活かすコンテンツがあって初めて活かされる。どれだか速いスピードで動くPCも、アプリケーションソフトウェアがなければ意味がない。

■ カテゴリー分けの意味

カテゴリー分けの意味
今回は他社を圧倒する製品の創造について、まずは自社の提供するもしくはこれから提供しようとしている製品のカテゴリー分けを考えてみた。

ここで注意すべきことがある。
それは、「情報やインテリジェントな製品が良くて、フィジカル的非インテリジェント製品が良くない」というものではないということである。

ここではまずカテゴリーを分類しただけである。
カテゴリーを分類し、このあとで改めて設計し直し、チョイス・マップやチョイス・ボードで「顧客の機会」を選定していく作業につなげていくのである。

次回は「2.製品(サービス)の設計」について確認する。

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