マーケティング塾(21): 「市場にある“機会”を逃さずに、特定する(3)」

マーケティング塾21「市場にある機会を逃さずに特定する」
 
市場には途方もない「機会」、すなわち顧客の要求に企業がたどり着く場があるが、ただやみくもに動いてもその機会に自社がたどり着くことはない。

そこで「市場にある“機会”を特定するための方法」を確認することから始めるのだが、その行動の根本はやはり「消費者(顧客)、企業(自社)、パートナー」の3軸ということになる。

前回前々回の2回で「(1)顧客ベネフィットを生み出す」、「(2)自社のコンピテンシーをベースに、事業領域を再構築する」を確認した。

今回は「(3)事業パートナーのネットワークを広げる」を確認する。

■ (3)事業パートナーのネットワークを広げる

顧客のニーズやウォンツ、または顧客自身のトレンドを読み、その上で自社の事業領域を定義し直してもまだすべきことは残されている。市場機会すなわち顧客の要求に応える場面を捉えるためには、自社には足りないリソース(経営資源)を手に入れなければならない。その経営資源の多くは自社の周囲に存在する事業パートナーに依存することになるだろう。

過去の企業間関係は「直線的」だった。バリューチェーンの上流である原材料加工企業からメーカー、卸売り企業、そして下流に位置する小売業までが一つのラインで結ばれていたのである。

しかしデジタルエコノミーが進展した現在に適しているのは、このような直線的な関係ではなく、たとえて言えば「ヨコ」である「協働ネットワーク」である。

タテに直線に配列されているとこの流れに乗っていない企業はパートナーに選ばれることはない。しかし自社を取りまく環境には無数の企業=事業パートナー候補が存在するはずであり、自社はその中から最も価値の高い企業をパートナーに選ぶ方が良いのである。最も価値の高い企業を事業パートナーに選ぶことで顧客には最も価値の高い製品やサービスの提供ができ、それにより顧客およびその事業パートナーとの絆が強まり、高まっていく良い循環が形成される。

ただしこのリレーションは時とともに変化することも忘れてはならない。現状でどれほど高い成果が上がっていても、事業パートナーや顧客との関係を常に見直し改めてることを決して怠ってはいけない。

事業パートナーとの関係には大きく分けて、
・アウトソーシング
・シンジケーション
の2つがある。

① アウトソーシング
企業にとって最も望ましい形態、それは「自社のコア・コンピテンシー」に関係の深い部分は内製し、その他の部分は他社にアウトソーシング(委託)することである。これにより企業は「より、自社の“強み”に注力した経営」が可能となり、さらに強みを伸ばし差別化を図れることになる。

・イノベーションや製品開発に長けた企業はその製造を他社に委託する。
・製造工程に長けた企業は開発を相手先に委ねる。
・流通に強みがある企業は自社の流通を他社と共同配送とすることで効率化を図れる。

このようにデジタルエコノミー下においてはその事業パートナーの能力を最大限に活用することで、自社の強みの強化及びコストの削減、もって顧客の欲求に応えることができる。

② シンジケーション
情報やサービスについてはシンジケーターと呼ばれる企業に頼る方法がある。シンジケーターとはその持ち得る情報やサービスを低コストで多数の顧客にコンテンツ提供する企業のことである。
・ロイター
・共同通信
などは幅広いその持ち得る幅広い情報ソースからニュースを取得し、配信する。

またこれはニュース系だけにとどまらない。例えば帝国データバンクなどの信用評価を専門に扱う企業もシンジケーターの一つである。そのほかASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)などのソフトウェア提供企業をシンジケートとすれば、新興企業は自前でのソフトウェア開発負担が必要ない。

シンジケーションの活用は、自社だけでは限界がある経営資源の新しい取得につながるのである。

さて、アウトソーシングとシンジケーションをまとめると以下のように様々な利点があることが分かる。
・競争力、ひいては収益力の増進に繋がる。
・非中核業務を他社に任せることで、得意分野=強みに集中できる。
・事業インフラへの投資を抑制できる。
・組織の柔軟性を高め、目まぐるしく変わる経済状況や激しい技術革新に適応できる。

ただし、アウトソーシングもシンジケーションも長期間にわたってその関係を維持するためには、強い信頼関係のもとで双方ともに利益を上げていくことが欠かせない。自社だけ、またはパートナーだけが利益を得る関係は、そう遠くない未来に破綻することになる。

以上、3回にわたって市場にある機会を逃さないための活動をお伝えした。
次回はこの章の最後として、これら3軸(顧客、企業、パートナー)を束ねる企業統治(コーポレート・ガバナンス)の枠組みについて述べることにする。

=======================

最新のP業界お役立ち情報をいち早く確認するためにも、是非、当サイトをお気に入りやブックマークに登録をしておいて下さいね!

 

面白かった、と思った方はポチっとお願いします。


ビジネス・業界ランキング

【コロナ禍を勝ち抜く】稼働と利益を両立させる思考と行動【相談無料】

・稼働を上げようとすると利益が減る
・利益を上げようとすると稼働が下がる

こう考えていませんか?そんなことは無いです。稼働と利益は両立できます。

必要なのは「論理的な思考」と「マーケティング」。イベントや新台入替には頼らないABCの営業支援はお店の足腰を強くします。