マーケティング塾(20):「市場にある“機会”を逃さずに、特定する(2)」

事業領域の再構築
 
市場には途方もない「機会」、すなわち顧客の要求に企業がたどり着く場があるが、ただやみくもに動いてもその機会に自社がたどり着くことはない。

そこで「市場にある“機会”を特定するための方法」を確認することから始めるのだが、その行動の根本はやはり「消費者(顧客)、企業(自社)、パートナー」の3軸ということになる。

前回は「(1)顧客ベネフィットを生み出す」を確認した。顧客が「自分にとってのニーズを満たすこと」を求める場合の探す方法である。

引き続き今回は「(2)自社のコンピテンシーをベースに、事業領域を再構築する」を確認していく。

■ (2)自社のコンピテンシーをベースに、事業領域を再構築する

場面場面、その状況に応じて最も適切な「顧客の体験、経験」を実現するためには、自社の事業領域を再構築すべきである。

この顕著な例として銀行が挙げられる。
銀行はその昔「9時から5時まで」の営業が普通だった。しかし時代の要請、変化により現在ATMは24時間年中いつでも引き出しOKに変わった。これはオンライン化、グローバル化の流れに対応した例と言える。

2000年代前半の規制緩和の流れで多くの業界ではその授業領域に変化が見られたが、果たしてパチンコ業界は自社を取り巻く変化に対して事業領域の再構築をしてきただろうか。

では、どうすれば自社の事業領域の再構築に進めるかを考えよう。必要な段階は以下の3ステップである。

ステップ①:新しい事業コンセプトを定義する、または再定義する。
ステップ②:自社の事業範囲を見直す。
ステップ③:新しい自社のブランド・アイデンティティを定義する、または再定義する。

① 事業コンセプトを定義する
現在の企業は激しい競争と変化にさらされている。だからこそ「選択と集中」を進めて、新しい事業コンセプトを定義しなくてはならない。

ただしその拠り所は「アイデア」とする。これまで自社が強みとして持っていた特定に製品カテゴリー、市場セグメントなどに集中せよ、ということではないことに注意する。今回決めるべきは「新しい事業コンセプト」なのだから。

成功している企業はそもそもモノや提供するサービスそのものを売っているという意識はない。彼らは顧客価値の探求と追求、創造を図り、もってそれらを具現化して提供しているのが「自社の製品、サービス」となっているに過ぎないのである。「目的」を出発点としてそれを提供する無限の方法、施策の中から「たまたま」今の製品、サービスという形をとっているだけだということを理解してほしい。

この顕著な例がスウェーデンのイケアという企業である。イケアは「家具の製造小売り」ではあるが、彼らは「日々の生活を、より豊かに」というコンセプトを具現化する方法として家具の製造、小売りをしているのである。

② 自社の事業範囲を見直す。
顧客の要望、顧客の求めるベネフィットを発見し事業チャンスにつなげるためには、自社の事業範囲を拡大したり改めたりする必要がある。

・スーパーマーケット業のガソリンスダン度事業への拡大
・卸売業のネット販売
・ネット市場店舗のリアル店舗事業

などなど、例を挙げれば枚挙にいとまがない。

事業範囲を見直すには、次の2つの根本的な問いから考える必要がある。
・現在の自社の事業は、どこまでをカバーしているのか?
・定義された新しい事業コンセプトは、事業範囲をどのように改めるべきとなるか?

セブン-イレブン・ジャパンの元会長である鈴木敏文氏は過去、次のように述べていた。

「ITを駆使して、各店長の要望に応じて日に何回も商品を補充するようにした。これによって利便性、品質、サービスが向上し、顧客ニーズによりよく応えられるようになった。さらに、大規模な研修チームを設けて店舗運営者に顧客とセールス情報を獲得する手法、セールス情報の活かし方などを説いた。」

インターネットが拡大した現在では物理市場(オフライン、リアル)を事業領域としていた企業もバリューチェーンの仮想化を進めて、仮想市場(オンライン、バーチャル)に対応することを本格的に進めていくべきである。

③ ブランド・アイデンティティを構築する
「ブランド・アイデンティティ」、自社ブランドを対外的に明確にしたもので、競合他社と差異化する役割を持つ。企業ロゴ、メッセージなどで「自社の目指す方向性」をビジュアライズしたものと考えてよい。

事業領域を再構築したならばその想いを明確に簡潔に顧客に届ける必要がある。これまで同じブランド・アイデンティティでは顧客に「変わったこと」を届けられない。

このときに考えるべき思考の出発点は「アウトサイド・イン」である。「インサイド・アウト」、つまり自社を出発点とするのではなく顧客中心の発想をするということである。

パチンコ業界での有名なブランド・アイデンティティの構築とメッセージとして以下の企業がある。

・株式会社東洋商事 → フィールズ株式会社
 「すべての人に、最高の余暇を」
・株式会社ユニバーサル → アルゼ株式会社
 「なんでもあるぜ!」

次回は「(3)事業パートナーのネットワークを広げる」について述べる。

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