マーケティング塾(19):「市場にある“機会”を逃さずに、特定する(1)」

マーケティング塾(19):「市場にある“機会”を逃さずに、特定する(1)」
 
市場には途方もない「機会」が存在する。機会、すなわち顧客の要求に企業がたどり着く場のことだ。

しかし、ただやみくもに動いてもその機会に自社がたどり着くことはない。そこで今回から、
・市場にある機会を特定するための方法
を確認していく。
(文字量の関係でこの章がいくつになるかは未定。おそらく4~5回であろうと思われる。)

■ 市場機会を活かすための3つの行動

市場機会を活かすには次の3つの行動を起こすことになる。

(1)消費者の意識の変化をベースに、顧客ベネフィットを生み出す
(2)自社のコンピテンシーをベースに、事業領域を再構築する
(3)事業パートナーの経営資源をベースに、事業パートナーを増やす

やはりここでもマーケティングの4つの主体のうちの3つ、すなわち「消費者、自社、パートナー」の視点から考えることになる。(4つの主体のもう一つである「コミュニティ」はC2C空間であり企業はノータッチなので除外する)

この3つの行動を軸に、適切なガバナンス・フレームワーク(業務統治および管理の枠組み)を構築する。

それでは順次、見ていくことにしよう。
今回は「(1)消費者の意識の変化をベースに、顧客ベネフィットを生み出す」について考察する。

(1) 顧客ベネフィットを生み出す

顧客は「自分にとっての真のニーズを満たすこと」を重要視する。しかし、顧客は数えきれないほどの製品やサービスに囲まれているにも関わらずそのすべてを意識することはできないものである。また経済力も限られている。

そこで企業は「その顧客が知覚していない、ニーズを満たす自社の製品、サービス」の提供を行ことになる。このとき企業は、
・顧客が何を求め、
・何を考え、
・何に悩んでいるのか。
を考えることになる。
また、
・誰に憧れて誰を尊敬し、
・誰と交流があるのか
という、「どのような人々の影響を受けているか」にも注意を払うことが欠かせない。

そして、企業は自社の提供する製品、サービスの特徴ではなく、提供する製品やサービスによって顧客自身がどのような経験、体験を得るかを考えるようにすると、新たな洞察やアイデア生まれることになる。

この思考によって得られる「顧客ベネフィットの提供の仕方の変化」は次の3つである。

① 製品(サービス)そのものの重視から、使用経験重視へ
② 製品(サービス)のパフォーマンス重視から、顧客自身の経験重視へ
③ マスマーケット製品から、カスタマイズ製品へ

① 「製品(サービス)そのものの重視から、使用経験重視へ」
顧客になる前、消費者の段階で彼らは何を求めているのだろうか。

例えばヘルスケア。彼らは空腹を満たすものを求めているのではなく、味わいと栄養のある食事を求めている。

例えば歯。彼らは歯磨き粉を求めているのではなく、健康な歯を求めている。

例えば音楽。彼らはCDを求めているのではなく、音楽を聴くことを求めている。

例えば洗濯。彼らは洗剤ではなく、清潔な衣類を求めている。

例えばインターネット。求めているのは通信機器ではなく、コミュニケーションである。

この例を注意深く考えてみよう。
すべて、「文章の前半は製品の訴求、後半は結果の訴求」となっている。

遠い過去、つまり「需要>供給」の時代には製品(サービス)を届ければ消費者は購入した。

近い過去、同じような製品(サービス)が世にあふれ始めたときは、各社は「いかに自社の製品が優れているか」を競った。そして製品の質で勝る商品が勝利した。

そして現在、「逆セグメンテーション」であり複雑に絡み合う関係性(B2B、B2C、C2B、C2C等)においては製品(サービス)の質に大きな差はなく、だからこそ「結果、過程」の重視、つまり「モノからコトへの転換」が必要なのである。

② 「製品(サービス)のパフォーマンス重視から、顧客自身の経験重視へ」
市場には似通った製品やサービスがあふれている。しかもこの傾向はどんどんと強まっている。

これは、どの企業も開発力を強め、また他社の模倣にも長けてきているからである。

そして次のような意見が聞こえてくるのである。
「品質自体は全体的に向上しているが見分けがつかない。違いが判らない。」

こうして現在、顧客は製品個々の特徴よりも「どのような経験が得られるか」に選択、判断の基準を持ち始めている。

したがって、顧客の心をつかむには製品品質の訴求ではなく「より、豊かな経験の訴求」を重視すべきである。どのように役立つか、ではなく「どのような経験を得るか」である。

インテル元会長のアンドリュー・グローブはこう語る。
「これからはパソコンを作って売るだけでなく、幅広く事業をとらえ直す必要がある。当社の使命は情報伝達を媒介すること、さらには人と人との温もりが伝わるようなコミュニケーションを実現することなのだ。」 

③ マスマーケット製品から、カスタマイズ製品へ
産業革命からの大量生産時代においては同じ規格の製品を大量生産するのが一般的であった。しかしデジタル化の進展により顧客が“個客”化したことに伴い、一人ひとりに対してカスタマイゼーションをすることが可能になっている。

そして更なるデジタル化の進展、具体的には「WEB2.0時代」においてはどのような製品(サービス)をどのように手に入れるか、またどのような経験を望むのかを顧客自身が具体的に企業に示すようになっている。

マスマーケット製品、すなわち「少数者を切り捨てた大多数向けの汎用品」ではなく個客へのカスタマイゼーション製品による、ロングテールな製品展開が顧客ベネフィットを生み出すことになるのである。

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