マーケティング塾(17):「“逆”セグメンテーションへの対応(3)」


マーケティングの主体が4つとなったことでこれまで企業が主体となって進めていた活動に“逆のベクトル“が向くようになった。その中でも特に重要なのが「セグメンテーションを、顧客が行う」という“逆セグメンテーション”である。

企業が顧客を層別にしていくのではなく、顧客が企業を層別にしていく。こうなると主導権が顧客に移ってしまうことになり、「顧客満足」の名のもとに企業は顧客におもねるばかりとなってしまう。

どうしたらこの主導権を奪回できるのか。それも、あたかも「顧客自身の思考によって選んだ」と思わせながら。

それには、
・顧客の意識を探り、
・自社のコンピテンシーを見極め、
・事業パートナーの経営資源を活かす
という行動が必要である。

前々回(Vol.15)及び前回(Vol.16)では顧客の意識を探るための考え方と自社のコンピテンシーの活用をお伝えした。
今回は3番目、「事業パートナーの経営資源を活かす」ことについてお伝えする。

■ 自社単独でできる時代は終わった

顧客からのセグメンテーションを勝ち抜くための第3段階は「事業パートナーの協力を得ること」である。自社単独ですべての業務を背負い込むのではなく、コラボレーションのネットワークを築くのである。

なぜなのか。

「需要>供給」の時代にはとにかく「売ること」によって顧客の要望を叶えることになる。そこに(あまり)品質は問われなかったし、マス市場に同質なものを提供してもよかった。

しかし現代では顧客の要望は多岐にわたる。そのすべてをカバレッジできる企業は存在しないであろう。超巨大企業、例えばアップルやトヨタ、パナソニックであっても(当然のことながら)自社でカバーできない分野があり、それらには外部サポーター企業との連携を行っている。

「中小企業は差別化、特化した自社特有のモノ(サービス)を創り出すのだから、ノウハウ流出の懸念のある連携はしづらい」、こういう意見もあるかもしれない。しかしその考えは間違っている。中小企業だからこそ、差別化の源泉のみに経営資源を集中させて、「自社でなくてもできることで、その方がコスト、品質ともに優れている」と考えられる分野は任せるべきである。

■ 事業パートナーの種類

事業パートナーは次の2種類がある。すなわち「水平パートナーシップ」と「垂直パートナーシップ」である。

(1) 水平パートナーシップ
ヨコ展開のパートナーシップ(協業)である。
複数の企業が自社の経営資源を分析し、足りない部分を補えるような関係を築き、関係する企業が同時に新しい市場チャンスを掘り起こす。

有名な水平パートナーシップの例は空港における航空会社の航空機部品の共同保管である。各社がバラバラに各空港に倉庫を持つことは効率の面で非常にマイナスであるので、サードパーティ(緩衝企業)を設置して一手に任すことで各航空会社はコストダウンを実現させている。

また、パチンコ業界における販売会社(販社)もその一つの例といえるだろう。ホール企業は発注その他を特定のパートナー販社に集約することで情報や部品管理、発注業務の煩雑さから解放される。

(2) 垂直パートナーシップ
流通の一形態で、車のメーカーと販売店の関係が有名である。(パチンコメーカーとそのメーカー専門の販売会社、例えば三洋と三洋販売、ニューギンとニューギン販売なども同じ系統といえる。)

供給企業はその販売先を広げるのではなく、逆に狭める(絞り込む)ことで販売会社の管理の煩雑さから解放され、販売企業は供給元を1社(または数社)に絞り込むことで商品知識の蓄積が図れる。

さらに近年のインターネットの普及によりアフィリエイトリンクを貼る個人サイトも多い。このアフィリエイトも垂直パートナーシップの一つの例とされている。

■ 逆セグメンテーションを勝ち抜く

シンプルに考えれば、企業の願いは「売上(利益)の獲得」である。そのためにこれまでは「他社に負けまい」と自社単独で活路を見出そうとしてきた。

しかし現在は違う。顧客の要望を見極め、事業パートナーを活用してこそその願いは叶う。

ここまで3回にわたって逆セグメンテーション時代の方策を述べてきたが、特に重要なのが「事業パートナーとの連携」だと意識してもらいたい。事業パートナーにとっても自社と連携することで明るい未来が得られることを示し、約束する必要がある。

成功企業は例外なく、自社の周囲にある事業パートナーと良好な関係を維持しているものである。

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