【マーケティング塾13】「マーケティング”実務”の移り変わり(1)」

戦略が変われば、実務も変わる

マーケティング塾13
前回までの2回、マーケティングの戦略(考え方、方向性)における変遷を確認した。「マーケティングの主体が変わった(増えた)ことにより、マーケティングそのものの考え方を変える必要がある」という内容である。

今回はその「変化した戦略」に対応した実務、言い換えれば戦術における変化を考えてみる。変化した戦略に対応する戦術のキーワードは「逆」である。

■ 実務の変化

マーケティングの実務(戦術)において、主体が4つに増えたことでその方向性も、重要管理点も大きく変わった。ここでもその源はインターネットである。デジタルエコノミーの現在、「パワー」はシフトし売り手から買い手に移っっており、これを一般に「リバース・マーケティング」という。企業主導での販売活動から顧客主導での購買活動に主が移った、ということである。

リバース、つまり「逆」である。
では以降において「何が、逆になっているか」を、事例を交えて挙げていく。

(1)“逆”製品設計
企業が仕様を決めるのではなく、顧客が決める時代となっている。代表的な例がデルコンピュータだ(今更説明の必要はないであろう)。

さらに日本でも近年、この逆製品設計をウリにした取り組みが見られる。
空調機器メーカーのダイキン工業株式会社は2019年より、ユーザーの意見をくみ取る商品開発プラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」を開設した。

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「アジャイル型商品開発を前進」(2019.11.6)

DAIKIN LAUNCH Xは、主に開発中の商品を公開し、ユーザーの声を収集する。
~中略~
これらの取り組みを通じて、移り変わる顧客のニーズを確かめられる体制を強化し、用途や使われ方の変化に合わせて改良を重ねていく、“アジャイル型の商品開発”を前進していくという。
D2Cを本格化、顧客参加型商品開発プラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」開設

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このアジャイル型(TRY&ERROR型)の開発手法にユーザーを巻き込むとどうなるか。
・ユーザーは「自分の意見が製品を変えた」と感じ、ロイヤリティが高まる
・ユーザーは「自分の意見の製品である」と感じ、購入意欲が高まる
・ユーザーは「より良いモノを作った」と感じ、他者に勧める(口コミマーケティング)
などの効果がある。離反を防ぎ、購買が増え、さらに営業マンにさえなってくれる手法なのである。

ちなみにこの連載でも何度か参考書籍として挙げているフィリップコトラー「新・マーケティング原論」においても、2002年発刊ながらすでに以下のような“予言”が記載されている。

「近い将来、靴、自動車、さらにはマイホームなども顧客自身によるカスタマイズが可能になるだろう。」

2020年現在、自動車もマイホームも、靴もそのような時代になっている。

(2)“逆”価格設定
インターネットは、価格の決定権を顧客に引き渡した。
これまでは企業が製品とともに価格の提示を行い、その価格と得られるベネフィットが不等号であれば(ベネフィットの方が大きければ)顧客が購入するという流れであった。

しかし現在は、顧客が欲しい製品とともに提供する価格の提示をする。

例えばホテル。自分の宿泊地域(場合によっては宿泊するホテルそのもの)を決め、複数の業者(サイト)を回遊して最も条件に合う業者(サイト)を選ぶ。さらにはそれらの情報を取りまとめる業者まで現れているのである(トリバゴ等)。

インターネット市場には無数の販売店があり、一つ一つが価格も条件も違う。これらを顧客は吟味し、もっとも自分にとってベネフィットの高い販売店を選ぶことができる。

価格の決定権は、顧客に移ったのである。

さて次回はこの続きとして、「逆」になった残りの4つ、すなわち、
・”逆”広告
・”逆”プロモーション
・”逆”流通チャネル
・”逆”セグメンテーション
について述べることにする。

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