【マーケティング塾12】「マーケティング戦略の移り変わり(2)」

マーケティング戦略の移り変わり(2)

■ マーケティングは変わった

前回確認したようにビジネスにおいて価値を創造するのは現在、「企業、顧客、事業パートナー、コミュニティ」の4つの主体からである。過去のマーケティング=価値創造は企業が行うものという認識だったが、今は違う。

そしてそのことがマーケティング戦略と実務を変えた。それは大きく5つの面で変わったのだが、前回は「(1)すべてをマーケティングとする」、「(2)顧客の了承を得る」という価値について確認した。

今回は残りの3つ、すなわち、
・顧客維持と顧客ロイヤリティ
・顧客生涯価値を引き出す
・マーケティング費用は経費ではなく投資
について確認する。

(3)顧客維持と顧客ロイヤリティ

営業職はこれまで「新規顧客の獲得」が最重要命題とされており、そのための行動に多大な時間を費やしてきた。そして重要な新規顧客を獲得した営業マンは“花形”としてもてはやされたが、その陰では既存顧客が軽視されるという弊害が生じていた。

突き詰めると事業を成長させるには、
・新規顧客の獲得
か、
・既存顧客の維持
か、いずれかの方法しかないわけだが、新規顧客追求ではいずれその「漁場」から魚がいなくなる。成長期においてはそのような“ハンター的”行動でもよかったが、今日ではその方向性の行きつく先が見えている。「獲物がいなくなる」のである。

マーケティングが企業だけの行動ではなく4つの主体、すなわち「企業、顧客、事業パートナー、コミュニティ」の行動と定義することで、既存顧客との関係性を重視する、顧客維持を考える傾向が強まっている。

顧客維持には顧客から自社(企業)へのロイヤリティ(忠誠心)の向上が欠かせない。クロスセリング、アップセリングなど「いかに既存顧客からの売上を伸ばすか」にポイントを置いたマーケティングが求められる。

(4)顧客生涯価値を引き出す

企業は損失を嫌う。「全体は個々の積み重ね」として顧客からの返品を受け付けること、追加値引きをすること、特別なサービスを要求されることに不快感を示す。

たしかにこれらは企業の利益を押し下げ、損失につながる恐れがある。しかし、それらがこの顧客からの長期的な利益にどれだけ貢献するのか、という視点を失ってはならない。顧客生涯価値、すなわち「一人の顧客がこれから生涯にわたって企業にもたらす価値(利益)」の高い顧客だと判断されるなら、仮に個別の取引で損失を出すことがあってもやむを得ないことと捉えるべきである。

逆に顧客生涯価値の小さい顧客、あるいはマイナスの顧客には高い手数料の設定やかかわりを下げてコストを低減させるなど、対応を変えるべきである。こういった顧客ももしかしたら今後の生涯価値が高まるかもしれないが、現時点では「小さい、あるいはマイナス」なのだ。「今後に期待、育成」よりも「今」を重視する。結果的にそのマイナス顧客が去ったとしても、それは大きな損失ではない。

(5)マーケティング費用は経費ではなく投資

セールス(営業)、広告、販促などのマーケティングにかかわる支出はコスト(費用)と考えているかもしれない。もちろん会計上は費用に分類される(販売費及び一般管理費)ので仕方がないことだが。

年度末、計画している利益を下回る恐れがあるときにしばしば取られるのがマーケティング関連支出の抑制である。

ところがこれをするとどうなるか。

サービスの低下、提供価値の低下、そもそもの集客力の低下を引き起こす。売上(利益)につながる費用を抑制して業績の向上につながるはずがない。マーケティング関連支出は“投資”なのだ。マーケティングをするから顧客との関係性が高まり、支持を得、業績につながる。

マーケティング費用は経費ではない、投資である。

以上、2回にわたって確認したマーケティング戦略の変容を以下に図で示す。
マーケティング戦略の変容の図

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