業界誌PiDEA WEB Vol.274「『すべきこと』と『したいこと』、そして『できること』」

『すべきこと』と『したいこと』、そして『できること』

Author:林 秀樹 Hideki Hayashi
1972年生まれ、福井県出身。名城大学卒。遊技機販売商社勤務を経てパチンコ店経営企業へ。
エリア総括部長・調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。
2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな機械整備技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。
計数管理とマーケティングに強みを持つ。お問い合わせはこちらから。


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この記事は2020年7月17日公開でPiDEA WEBに寄稿したものです。
 

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。7月も半分が経過しました。徐々に戻りつつあるという手ごたえのあった6月から少し「踊り場」的に停滞を感じているお店も多いと思います。入替の内容や時期、広告宣伝や販促についてこれまでのやり方を継続していくのか、もしくは変更してイメージを変えてみるのか、いろいろ考えていることでしょう。

とかく先が見えない混沌とした状況では気持ちも沈みがちです。個々の施策(戦術、手法)については立地や置かれた状況で「正しいこと」は変わるものですが、今回はこういった「どうすればいいのか、訳が分からない状況に陥っている」ときに考えてほしいことを伝えします。

なんとなく似ている以下の3つの言葉があります。

・should
・would
・could

これらを意訳すると、

・should → 義務(こうすべき~)
・would → 希望(こうでありたい~)
・could → 可能(これができる~)

となります。

さて、日々の営業ではこれら3つのうちどれに沿った施策を考えているでしょうか。
この質問をすると大多数は「should」と答えます。「お客様の欲求に応えるべき。自分の希望(would)や可能な範囲(could)を優先してもニーズには対応できない」という考え方であり、要は、
・お客様のニーズをくみ取る、それがマーケティングである。
という意見です。

これらは正論、王道であり、その通りにできるならまず間違いなく業績も回復すると思います。しかしこの考え方の前提条件は「お客様の欲求、ニーズを把握したうえで」なのです。そして大多数はこの「お客様の欲求、ニーズ」を把握できていないです。把握できないからこそ様々な施策を行いその中で効果のあるなしを見る必要があるので、「should」を志向できるのは王道を実践できるだけの経営資源を持つ「強者」の戦略なのです。

資本力の厳しい中小店舗では足元を見つめなおして「我々はお客様のニーズなどわからないし、探ることもできない」から考えるべきです。

そうなるとwouldなのかcouldなのか、となります。結論から言うと「could」から思考をスタートさせるべきです。弱者は仮にニーズを探し当てたとしても、それに対応できるだけの経営資源があるとは限りません。

例えば貯玉と会員システムが顧客ニーズだったとして、現状で自社がそのシステムに対応していなければ導入には1000万レベルの資金が必要になります。できないことをいくら考えてもできないものはできないです。だからこそ、「自分にできることは何なのか?」から考えるのです。

今回挙げた3つの言葉は「ブランドを決定づける3要素」と呼ばれています。

・should=社会の期待
・would= 経営者、社員の意識
・could=企業の強み、企業らしさ

ということで、社会の期待に応えることでブランド力を上げる、会社の意識を高めることでブランド力を上げる、会社の強みを伸ばすことで差別化を図りブランド力を上げる、とされています。

ところがこのうち社会の期待に応えるにはそれなりの資本がいります。また、意識改革はshouldかcouldを進めるうちに高まるものです。だからこそ、資本力のない店舗、企業はcouldをまず考えるべきなのです。

「弱者の戦略は、強みを生かすこと」。Shouldを優先させられるのは強豪だけです。「あるべき論=こうすべき~、こうしなければいけない~」など、さも顧客ニーズに応えることが業績向上につながるように考えがちですが、資本力の乏しい店舗、企業はそもそもニーズに対応しきれないです。

だからこそ、まずは「できること」を考えなければいけないのです。
 
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