マーケティング塾(39):「マーケティング活動を設計する(2)」

チャネル戦略
チャネル戦略
1960年代~90年代初頭までの工業化時代には企業はもっぱら「「4つのP」を枠組みにしてマーケティングプランを立案していた。今更ながら、ではあるがもはやマーケティングの古典とさえ言われる「マーケティングの4P」である。

※「マーケティングの4P」
『Product(製品・商品)、Price(価格)、Promotion(プロモー ション)、Place(流通)』の4つを指す。 この4つのPを組み合わせながら企業に最適なマーケティング手法を考えるのが、マーケティングの基本(マーケティングミックス)である。
(参考:Wikipedia「マーケティングミックス」)

この章ではデジタルエコノミー下で主なマーケティングマネジメントがどのように変わるかを、流通経路(チャネル)、販売促進、価格設定などに焦点を当てて述べていく。

今回は「流通経路(チャネル)」のマネジメントを見ていこう。なおチャネル戦略は上記4Pでもあまり重要視されない傾向があるのは事実だ(製品や価格、プロモーションの方を優先しがちだ)。だからこそ、最初にチャネルのことを伝えようと思う。チャネルは重要だからこそ、この部分は2回に分けてお伝えすることにする。

■ 流通チャネルのマネジメント( チャネル戦略 )とは

流通経路、マーケティング敵に言えば「チャネル」の数は急増している。企業はチャネルごとに異なる製品やサービスを提供したり価格を変えたりするだけでなく、より多くのチャネルをマネジメントできなくてはならない。ここでは、流通チャネルをめぐるいくつかの問題点、そしてそこから導き出されるチャンスを取り上げよう。

(1)チャネル間の摩擦の存在、そしてその解消

インターネットの発展によって新しい情報伝達ルート、そして双方向コミュニケーションやセールスの新しい手段が生まれた。ネット専業企業がオンライン販売に乗り出すうえでは支障となるモノは何もない。しかし既にディーラー網や卸業との取引のある既存企業では彼らの強い抵抗にあってしまう。課題は、いかにすればリアル店舗や再販店、代理店などと共食い(カニバリゼーション)を避けながら、オンライン販売を実現できるかである。

そもそもオンラインとリアル店舗を「競合」と捉えることに問題がある。「まったく別のチャネル」なのだから、それぞれの優位性を認識し、その優位性を訴求することで共存を図る方向性を導き出さなければならない。

多くの企業はこの点を間違っている。「オンラインは“卸の中抜き”だから代理店との関係性を考えると、ネット販売に軸を移せない」、こう考えてしまっている。その点、家電販売業界は旨くこの問題を処理したといえるだろう。

一時期価格ドットコムに代表されるオンラインサイトとアマゾンドットコムに代表されるネット販売に押され気味となった家電量販店。「リアル店舗で実物を確認し、ネットで買う」という流れに苦戦していた。

もちろん家電量販店側も指を加えて見ていただけではなく各社ともネット事業を立ち上げて対抗した。しかしその成果は芳しいものではなかった。

そこで家電量販店は考えた。「店舗とネットは顧客が違う」と定義し、「店舗でしかできないこと、ネットでしかできないこと」を明確に線引きして各チャネルではそのことを前面に訴求したのである。さらに相互補完として、前面に押し出した違いにプラスして別チャネルで提供している強みを「サービス」としてそれぞれの対象顧客に合う形での提供をし始めた。

リアル店舗・・・基本提供:豊富な商品知識の提供
付帯提供:価格の柔軟性、取り寄せの迅速化など

ネット販売・・・基本提供:価格訴求、ロングテールの商品在庫、扱い商品の豊富さ
        付帯提供:店舗受け取り、当日配送、チャットでのリアルタイム質問受付

2020年の家電量販店はリアル店舗、ネット事業共に大幅な増収増益を達成している。

(2)魅力あふれる効果的なウェブサイトを構築する

ウェブサイトは情報を提供したり取引を行ったりするうえで効果的である。それこそリアルの関係性を超えた範囲で顧客、事業パートナーをはじめ様々な企業や人々とリレーションシップを構築できる。このことはウェブサイトの強みではあるが“弱みにもなっている”ことを理解している企業、個人がどれだけいるだろうか。

リアルの取引や関係性であれば直接の補足説明ができる。表情や声の抑揚などで「行間を読む、阿吽の呼吸」もある。しかしウェブサイトにはそれがなく、すべてを「提供しているそのサイトだけで」完結しなければならない。

したがってサイトを構築する際には品質、サービス、スピードの面で「いかに自社(の提供する商品)が素晴らしいかを最大限にアピールするように心がけなければならない。

しかし企業サイトの多くは必ずしも使いやすい、見やすいとは言えない。利用者、訪問者のニーズを満たすのに力を注いでいるとは言えない。

ここでフォレスター・リサーチ社のレポート「大多数のウェブサイトが不成功に終わっている理由」からの一文を引用する。

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「1か月に百万人のウェブサイトアクセスを調べたところ、全体の40%がサイトの読みにくさ、遅さ、信頼性のなさに不快感を抱いて去ってしまった。そしてサイトに不満を感じた人の多くは、そのことを口コミやネット上の書き込みを通じて大勢に広めている。」

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ウェブサイトを改善するためには顧客の意見に耳を傾けることが重要である。Yahoo!では折に触れて新サービスへの意見を求めているし、アマゾンドットコムも新しいナビゲーションシステム正式導入する前には顧客にベータ版(試行サービス)の利用を呼び掛けている。これら企業は顧客の意見に耳を貸すことが、事業を成功に導くために欠かせないことなのだ、という認識があるのである。

「双方向型」、WEB2.0時代においては一方向だけの情報伝達ではない。双方向のコミュニティを作り上げることで顧客の真摯な意見や批判を聞き、そこから学ぶ。顧客の意見をないがしろにするとどうなるかは指摘するまでもないだろう。

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